
企業の進化に変化をもたらす「融ける“デザインのチカラ”」
“Design is too important to be left to designers.” —— デザインはデザイナーだけに任せるには重要すぎる 「口紅から機関車まで」さまざまなデザインを手がけたレイモンド・ […]
2022年8月27日から8月31日までの5日間、「Visional Designer Summer Internship 2022」を開催しました。
本記事ではこのVisional Designer Summer Internship 2022(以下サマーインターン)の開催内容や、開催時の様子を中心にレポートします。
また、本記事はサマーインターンの運営担当である森重がレポートしました。
2022年のテーマは「新卒採用における内定辞退の課題を解決するサービスを提案しよう」です。
参加学生のみなさまには、人事目線だけではなく、学生目線でも考えてもらう設計となっています。
サマーインターンは5日間かけ、デザインツールであるFigmaを使いながらワークを進めます。ダブルダイヤモンドのデザインプロセスに沿った形で、以下のように進めていきました。
DAY1,DAY2:
DAY3,DAY4:
DAY5:
大まかな流れは以上のように決めていましたが、「学生さんが決まった手順で進めることが目的となってしまい、本来の目的を見失ったり、思考停止でワークを進めてしまわないようにしたい。そのために自由度が高く、思考を深められるようなワークにしたい。」という考えでワーク設計をしました。
具体的には以下のように設計していました。
サマーインターンのワークが始まる前にノベルティボックスを配布しました。
学生のみなさんは開封しながら「かわいい!」「おしゃれ!」と声を上げていました。
ノベルティボックスの内容は、パーカー、トートバッグ、ハンドタオル、入浴剤、Webカメラカバーとなっていて、積み木を表現したキービジュアルがあしらわれています。
このキービジュアルはサマーインターンのエントリーページと一貫したデザインとなっています。
DAY1からDAY2では、課題を仮説立てて検証するということが大きな目的となります。
仮説立ても仮説検証もインタビューを繰り返しながら発散と収束を行っていきます。
ワークがはじまると、学生さんたちは人事にインタビューをして、課題は何かを仮説立てて行きます。インタビューの準備、インタビュー時のリアルタイムな深ぼり、インタビュー内容の整理などを繰り返し、自分の立てた課題仮説を検証していきました。
Figmaにまとめたり、ホワイトボードにマッピングしたりしながら、課題を探していました。
ただ、やみくもにインタビューしても本質的な課題を見つけることは困難です。
初回のインタビューではあまり深ぼった質問をできなかったり、何の目的に質問しているかわからなかったりと、学生さんたちのなかで苦労があったようです。
そのために、課題発見の補助となる講義をいくつか用意していました。
その講義の1つであるインタビュー講義では、ダブルダイヤモンドモデルに基づいてインタビューの仕方を解説しました。
講義の要点としては、「アイデアをひろげるため」なのか「アイデアをまとめるため」なのか目的を定めてインタビューをしよう、そしてインタビューのサイクルを回し確からしさを高めていこう、という内容です。
このような講義をはさみつつ、ペルソナ定義や課題定義を行いました。
以下のようなシートに情報を整理し、どんな人のどんな課題を解決するのかを明確にしていきます。
このシート内容をもとに自分が設定した課題の確からしさを確認し、さらに人事にもインタビューして精度を高めていきました。そして、その課題に対する解決策やサービスのコンセプトをまとめ、中間発表として発表を行いました。
そして、Visionalでマネージャーを務める社員からフィードバックしてもらい、DAY3以降のプロトタイピングに入る前に、抜け漏れている視点や、論理の整合性などを修正していきました。
学生さんにインタビューや課題定義の場面での学びについて伺ってみたところ、以下のようなコメントをいただきました。
「インタビューをすると課題らしい課題は見つかりますが、メンターさんからのフィードバックを受けてみると自分視点での考えに固執していることに気づきました。仮説と事実を分別し、人事視点に立ってより深く思考を張り巡らせることが本質的な課題に気づけることがわかりました。」
まさに脳に汗をかいて「この課題は本当に課題か?」ということをよく考えていたことが伺えました。
DAY3からDAY4までは、定義した課題を解決するための機能をプロトタイプとして形にします。完成したプロトタイプを提出してDAY5の最終発表の準備をするところがゴールになります。
いきなりプロトタイプを作る前に、まずはユーザーストーリーを作成し、これまで考えてきた課題と、その解決のアイデアがどう結びつくのか確認をします。
上図のイメージで、登場人物ごとに時系列で状況をまとめ、課題解決のアイデアがどう組み込まれるのかという流れを作っていきました。
ユーザーストーリーが固まった学生さんは、最小限の画面設計からまずは着手し、ユーザーテストを繰り返しながら、プロトタイプを作り込んでいきました。
最終発表では学生さんたちに、プロダクト開発の部長、本部長を前に発表していただきました。
定義した課題の説明と、サービスの概要、プロトタイプの実行という流れで、5日間の内容を伝えます。
みなさん緊張していましたが、この5日間でしっかりと課題に向き合ってきたためか、どの方も論理立てて説明ができていたと講評もありました。
個人ごとの講評においても、「課題を一段下げ本質的なアプローチをとれていて素晴らしい」「リクルーターの質を上げるという観点は本質的だ」など、課題の本質に着目した内容となっていました。
また、「簡易的なプロトタイプを作っては壊してを繰り返すと、思考するだけでは気づけなかった部分がわかるようになる」など、学生さんに気づきを与えるようなフィードバックもありました。
最後に講評者からは現場視点でのまとめもあり、
といったビジネス面や実装面での実現可能性についての話もありました。
サマーインターン5日間を通して、本質的な課題解決をするためのデザインプロセスを学生さんたちに触れていただきました。
本質的な課題を見つけるために仮説出しと検証を繰り返し、最終日には「本当にユーザーの課題を解決できるのか」「なぜこの機能が必要なのか」という深堀りができるようになっていたと思います。
最後にサマーインターンを終えた学生さんたちからの感想コメントをいくつか紹介します。
デザイナーとしてはもちろんですが、1つのサービスをつくるという大きな視点での学びも提供できたのではないかと、サマーインターンの運営としては思っています。
サマーインターンにご参加いただいたみなさま、ご協力いただいたVisionalの社員のみなさま、ありがとうございました。
Visionalでは業務でも同じようにお客さまの本質的な課題解決を大切にしながら事業に取り組んでいます。
デザイナーの新卒採用も行っていますので、少しでもご興味をお持ちいただける方はぜひエントリーください。