
デザインの品質を定量化する「コミュニケーションデザイン評価モデル」
株式会社ビズリーチにて、コミュニケーションデザイン部の部長を務めます三井です。 コミュニケーションデザイン部では、デザインの観点を定義し、デザイン品質を定量化する「コミュニケーション評価モデル」を運用しています。今回はコ […]
こんにちは、デザインマネージャーの梅林です。
デザイン本部コミュニケーションデザイン室で、各事業部のマーケターと協力しながら、広告デザインのディレクションやプロジェクトマネジメント(以下、PM)、デザインチームのマネジメントをしています。
先日社内で、スムーズなプロジェクト進行のためにテキストコミュニケーションで気をつけていることを共有したところ、大変好評いただいたので、今回はその内容をご紹介します。
リモート環境下になってテキストコミュニケーションをとる機会が増える中、テキストコミュニケーションが苦手だったり、オンラインでの合意形成に苦戦されている方の参考になれば幸いです。
私たちは普段、Slackやメールなどでテキストコミュニケーションをとっています。デザイナーは、課題解決のためのクリエイティブへの落とし込みの過程で、複数の異職種の人とプロジェクトを進めながら、コミュニケーションの起点になることが多いのではないでしょうか。
私自身も、PMやクリエイティブディレクションをする際に合意形成のためのコミュニケーションが多く、プロジェクトをゴールにスピーディに導き、みんなが気持ちよく仕事ができるようテキストコミュニケーションを改善してきました。
常に根底にあるのは、みんな自分の仕事に向き合っているので忙しい、ということです。もちろん自分自身もしかりです。ゆえに、不要なコミュニケーションをなくしてやりとりを最小限にし、いかに相手が効率よく、かつ、心地よく判断できるかを意識しています。
ポイントは5つです。
以下より、具体的な例でご紹介します。
基本的にビジネスコミュニケーションは、目的達成のために、必要なことをお願いしたりされたり、共有、確認するためのコミュニケーションがほとんどだと思います。受け取る側はその内容に対して、適切かどうかを検討した上で判断やアクションをとります。
例えば要望だけを伝えて、「それって何でですか?」と聞き返されたことはないでしょうか?
相手がOK・NGを判断する際、理由がわからないと判断軸がなく、一度で終わるはずのコミュニケーションに追加でやりとりが発生してしまいます。
コミュニケーションのやりとりを最小限にするため、何かをお願いしたり要望を伝える際は理由や目的を言語化して伝えるようにしています。
下記は、クリエイティブ内の文言変更を提案した際の内容です。
業務を進める中で、質問を投げて確認してもらったり、不明点を洗い出して解消したり、お互いにボール(担当するタスク)を渡し合いながら、物事を推進していくかと思います。
その際、「いろいろ発散したけど、ネクストアクション(以下、NA)どうするの?」「このタスク、自分が担当じゃないと思っていた」など、担当が不明確でボールが宙に浮いたままコトが進まないなんて事、よくあるのではないでしょうか。
着実に物事を進めるために、曖昧なことを言語化してボールの所在やNAを明確にし、全員の認識が揃うようにしています。その際、ボールのやり取りの中で、間を開けると記憶が曖昧になったり、認識や解釈の違いによるずれが大きくなるので、出来る限り時間をあけずに、何か進捗があればこまめにやりとりすることも意識しています。
さらに、人によって解釈が異なるような曖昧な表現はせず、「何をしてほしいのか」を明確にすることも意識しています。
下記は、発散メインだったミーティングの直後に、NAと担当を言語化して送った内容です。
テキストコミュニケーションは、顔が見えない分どうしても無気質になりがちです。
何も意識しないとトーンが冷たい印象になってしまい、「ぶっきらぼうで何か嫌だ」など不快感を抱かれてしまう可能性もあります。端的にシンプルに伝えることも大事にしつつ、その上で心地よく受け入れてもらえるような伝え方を意識しています。
否定をせず、「もっと良くするためにこうしたい」と伝えることで、協力を得やすくなりました。
下記は、クリエイティブ内のコピーを見直す相談をした際の内容です。
受け取った文章が長文で読みにくく、理解するために何度も読んでしまった、なんて経験はないでしょうか。
私自身も、早く判断したいのに、その前の読解に時間を要して「要点はなんだろう?」ともどかしいことがあったので、少しでも早く相手が判断できるよう可能な限り情報を構造化して、文字を装飾するようにしています。
意識しているのは、下記です。
何を求められているのか、受け取った相手が読み解くことなく理解、判断できるように見やすさを意識しています。
下記は、クリエイティブ内のコピーを見直す相談をした際の内容です。
言葉で伝えた場合、解釈や認識違いが原因で伝わらないという経験は、誰もがあるのではないでしょうか。
言葉だけで伝えるよりもビジュアルで伝えた方が、多くの情報が瞬時に正確に伝わります。関係者が増えたり、共通言語の少ない異職種の人や、前提知識が異なる人と業務をする時は尚更、頭の中を共有することが、スピーディな進行につながるので、一手間かけてでも、ビジュアルを作るようにしています。
下記は、非デザイナーの人へのデザイン修正箇所の説明と、デザイナーへの修正依頼をした際の内容です。
上記で述べた5つ以外にも、オンラインコミュニケーションで下記のようなことも意識しています。
以上、私が普段テキストコミュニケーション時に意識していることをお伝えしました。
「テキストコミュニケーションを作り込んだり、そのために画像をつくるのはめんどくさくないの」と聞かれたのですが、自分がかけた一手間でやりとりがシンプルに効率的になるならお互いにとってハッピーですし、相手からの信頼も増えていくと信じています。
もともとはコミュニケーションを効率化するために、苦手だった文章の分解や端的に伝える方法を試行錯誤してきましたが、それを通して曖昧なことを言語化することや論点整理の訓練にもなり、日々のデザインやマネジメント業務にも生きているなと感じます。
私も最初はとても苦手でしたが、今はどうスマートに着地させるかを楽しむようになりました。
一緒にお仕事をする人たちとより心地よく物事が進められるように、今後もテキストコミュニケーションを工夫していきたいと思います。みなさまの日々コミュニケーションの一助になれば幸いです。