Visional Designer Blog

「ブランド」をつくるアートディレクターが、クリエイティブに磨きをかけるための6冊

こんにちは、HRMOS事業部でプロダクトデザインを担当している三田です。

今回は、コミュニケーションデザイン室 室長の三井、アートディレクターの田渕に、ブランディングやクリエイティブ制作に活用した本を中心に、3つの視点からオススメの本を選んでもらいました。

  1. ブランディングの参考にしている1冊
  2. 表現の引き出しを増やす事例がまとまった1冊
  3. クリエイティブに磨きをかけたい人にオススメしたい1冊

Visionalは事業会社でありながら自社で、ブランド戦略の計画から、広告づくりをはじめとしたクリエイティブ制作などを行っています。そのため、クリエイティブの質を磨き続けることと同時に、ブランドや事業の戦略から一貫したアウトプットを強く意識しています。

よりクリエイティブの引き出しを増やし、質を高めたいと考えているデザイナーや、ブランドづくりからその価値を正しく伝えることに挑戦している方の参考になれば幸いです。

ブランディングを行なう際に参考にしている1冊

プレゼン思考

小西 利行 著 / かんき出版 / 2021.6.23 発売


著者の小西さんは、博報堂出身のクリエイターで、独立後も数多くの有名なプロジェクトを手掛けられています。これまで様々なブランディングに関する書籍を読んできましたが、頭では理解できても実践することが難しいと感じる方が多いのではないでしょうか。

この本は「プレゼン思考」というタイトルからは想像できないほど、ブランディングやビジネスにも活用できる方法論が、小西さんの経験を元に、誰もが理解できるシンプルな言葉で、難しいことをわかりやすく伝え、体系化されています。

例えば、プレゼンの必勝方程式として提案されている「課題→未来→実現案」という至ってシンプルな構造は、プレゼンに限らず、心を動かす必要がある様々な場面で活用できます。

また、普段ブランドや広告を考える際は、サービスや商品の提供価値とユーザーのインサイトの交わる部分に存在する強いアイデアを掘り起こすことに注力しています。「人生共感図」というフレームワークでは、それらと重なる部分も大きく、より解像度高く捉えられており、個人的にとても腹落ちしました。

小西さんとは、Visionalのブランディングでご一緒させていただく機会がありました。細部の表現にまでこだわる経営陣にここで書かれている内容を巧みに実践し、プロジェクトを鮮やかに遂行されていました。僕にとっては雲の上の存在ですが、またいつかお仕事をご一緒させていただきたいと強く思いました。

(アートデイレクター:三井 拓郎)

事例で学ぶブランディング ランドーのデザイン戦略大公開

ランドーアソシエイツ 著 / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2020.4.20 発売

1941年に米国サンフランシスコで創業し、世界19か国に43拠点を持つブランディング会社「ランドーアソシエイツ」のブランディングの手法を徹底解説した本です。

1章では、ブランディングのためのプロセスを「ブランドストーリーの査定」と「ブランドストーリーの発信」という2つのフェーズにわけ、その上でさらに仮想クライアントを題材にしながら具体的な手法例を説明してくれています。

0からどのような工程を踏んで1になるのかを、一連の流れとして理解することができます。ただ、そのプロセスの中でどこに重点を置くのかはクライアント課題によって様々です。

そこで2章では、クライアントの課題を実例に出しながら、解決へのアプローチを紹介してくれています。1章で理解した流れを、より具体的に噛み砕いて理解することができ、クライアントの課題をデザイン思考する段階から、それをどのように形にしていくのかを非常に理解しやすい深度で読み進めていくことができます。

なお、3章・4章では事例紹介やインタビューなども掲載されているので、読み物としても面白い1冊です。

(アートデイレクター:田渕 将吾)

表現の引き出しを増やす事例がまとまった1冊

Lürzer’s Int’l Archive

Lürzer’s Archive 編

1984年から隔月で発行されている、世界中の優れた広告グラフィックを紹介する広告専門誌です。

幼少期にデザイナーに憧れたきっかけが、海外のグラフィックだったこともあり、今でも半分趣味として購入し、その国の事情やターゲットを想像しながら、その広告が伝えたかったメッセージを考えながら眺めたりしています。

以前、外資系の事業会社に在籍していたときは、英語がろくに話せなかったので、海外の人に理解してもらえる表現アイデアとは何なのかを研究したりしていました。ここに掲載されている優れた広告アイデアたちは、年齢や国籍、言語を超え、わかりあえることが実感できます。

アイデアや表現のバリエーションをストックする際にもおすすめですし、パラパラとめくるだけでも秀逸なアイデアの数々に心を奪われます。

(アートデイレクター:三井 拓郎)

ミレニアル+Z世代の心に響くデザイン

パイ インターナショナル 編 / パイ インターナショナル 出版 / 2021.07.28 発売

デジタルネイティブ、多様性、体験や共感の重視、サステナブルや社会貢献行動への意識の高さなど、ミレニアル世代やZ世代の価値観に注目しながらつくられたクリエイティブのデザイン事例を紹介した本です。

例えば、あるクリエイティブのターゲットを「20代男性」として考えたとき、過去の20代男性の価値観と今の20代男性の価値観はまったく違います。ペルソナの表面的な年齢や性別だけをみてデザインしているままでは本当のターゲットとのコミュニケーションをつくることはできません。

ペルソナの奥にある価値観を知り、それをデザインとしてアウトプットできるようになるためにも、こういった今を生きる人たちの価値観に寄り添ったクリエイティブをインプットすることで、自身の価値観を日々アップデートしていくようにしています。

コミュニケーションデザイン領域において、とても参考になる1冊です。

(アートデイレクター:田渕 将吾)

クリエイティブに磨きをかけたい人にオススメしたい1冊

The New Beetle Book

フォルクスワーゲンジャパン 監修 / ロングセラーズ / 2000.6.1発売


新卒時代、とても綺麗なデザインをする先輩がいたのですが、普段どんなものを見てインプットしているのか知りたくて、教えてもらった1冊です。

この本は、1960年代、アメリカの広告業界に大きな影響を与えたと言われるフォルクスワーゲンの広告の歴史が日本語の対訳つきで紹介されています。Think small.”や“Lemon.”に代表される広告を生み出したのは、アメリカの広告代理店のDDB。

1960年代当時、豪華なイメージだけで売るような広告が主流であった時代に、商品のメリットを写真で表現し、それを文章で説明するという当時としては画期的な「ノングラフィック」という広告制作手法を生み出しました。

この手法は、現在の広告制作手法の原点といわれており、日本でも古くからキューピーマヨネーズなどでこの手法を用いた広告が見られます。半世紀以上経た今でも美しいレイアウト、インパクトのある写真、エッジのあるコピーなどの輝きを放った広告を垣間見ることができます。

(アートデイレクター:三井 拓郎)

Design Rule Index 要点で学ぶ、デザインの法則150

ウィリアム・リドウェル 著, クリティナ・ホールデン 著, ジル・バトラー 著, 郷司陽子 翻訳 / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2015.10.16 発売

2004年に『Design Rule Index – 100の法則』として発売。
その後2010年には法則が「125」になり、現行版では「150」まで追加されており、17年間ずっと売れ続けているデザイン書です。

デザイナーとして就職したばかりの当初、自身の感覚だけでは思うようなアウトプットができないことに悩んで挫折することが多かった時期に、その当時の先輩から進められ読み始めたものです。作法を何もしらない自分にとってはとても参考になることばかりで、何度も繰り返し読みながら仕事に取り組んでいました。

版を重ねるごとに時代に合わせて名称や用語をアップデートされているので、〇〇の原理、〇〇の法則、〇〇効果といった人の心理にまつわることもたくさん収録されていますし、アフォーダンス、チャンキング、近接効果などといったUXにまつわることもまとめられています。

紹介されている法則を何度も繰り返し読み込んできたことが今の自身の基礎形成につながっています。今ではポケットサイズの大きさに製本されていますので、基礎をしっかり固めたい方におすすめしたい1冊です。


(アートデイレクター:田渕 将吾)

次回もお楽しみに!

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