
デザインの品質を定量化する「コミュニケーションデザイン評価モデル」
株式会社ビズリーチにて、コミュニケーションデザイン部の部長を務めます三井です。 コミュニケーションデザイン部では、デザインの観点を定義し、デザイン品質を定量化する「コミュニケーション評価モデル」を運用しています。今回はコ […]
Visionalで新卒3年目のグラフィックデザイナーとして働いています。住岡です。
先日、他社で働くグラフィックデザイナーの友人からこんな質問を受けました。
・デザイン以外の仕事も多いから、デザイン作業は制作会社に依頼しているの?
・同じテイストのデザインばかりで飽きないの?
・入社年次の浅いデザイナーだと、大きなプロジェクトはできなさそう
・関係者の人数が多いとデザインの承認に時間が掛かって大変そう
こういった質問から、事業会社で働くグラフィックデザイナーの制作事例や働き方はまだ十分に知られていないのでは?と感じました。
Visionalでは、主体的に思考し、仲間と議論を重ねながら、自ら手を動かしてものづくりを進められる楽しさがあります。
そこで今回は、私が2年目で担当した「エンジニアリングブログ」のリニューアルと運用を例にVisionalのグラフィックデザイナーの働き方について知っていただければと思います。
2020年、ビズリーチからVisionalへのグループ経営体制移行に伴い、これまで「BizReach TechBlog」として運用してきたエンジニアリングブログを、「Visional Engineering Blog」にリニューアルすることになりました。
その背景には、事業拡大を見越してエンジニアの仲間を増やしていくため、Visionalのエンジニア組織をもっと多くの方に知っていただきたいという思いがありました。
当時新卒2年目の私が担当していたのは、採用イベントのバナーやノベルティなど、採用に関わるデザインです。そうした経緯もあり、このプロジェクトにメインのデザイナーとして関わることになりました。Webサイトを一からデザインするのは初めてで緊張しつつも、Visionalのエンジニアの顔になるブログのデザインを任せてもらいとてもワクワクしたのを覚えています。
リニューアルプロジェクトは、ブログを運営するエンジニアと採用マーケティング担当、デザイナーの私で動き出しました。
まずは最低限必要な情報や、優先すべき要素を落とし込んだワイヤーフレームを作成しました。
元々のブログや採用における課題をヒアリングして、要件を整理しつつ、リニューアルしたブログの目的と、ブログに訪れる読者が求めるものの最大公約数になるよう情報を設計します。
例えば、より多くの人に認知されることを目指したいので、SNSでシェアされやすく、タイムラインで目に止まるキービジュアルを記事に設定したい。
ナレッジを求めて訪れた読者は、技術情報の鮮度を大切にしているから、タイトルより先に掲載日を表記する。
など、課題と要件を整理し、ワイヤーフレームに落とし込んでいきました。
その際、実装を担当するエンジニアとは、実装が可能かどうか、採用マーケティング担当とは、SNS運用などとの兼ね合いなどを相談していきました。
課題から要件を整理したあとは、グラフィックの方向性を検討します。Visionalのエンジニアらしさを反映した情緒的なグラフィックにするため、価値観を言語化して、コンセプトとして設定しました。
そしてコンセプトから想起されるデザインの要素を考えて、強調する要素を変えた3つのデザイン案を作り、関係者にプレゼンテーションしました。
エンジニアリングブログはVisionalのエンジニア組織を代表し、リニューアルは採用にも大きく影響します。この段階でCTOや採用マーケティングのマネージャーとも議論して、合意を得る必要がありました。
スピーディな決定のため、デザインの違いでどのような印象や効果の違いがあるのを資料にまとめます。それぞれの感覚や好みではなく目的を軸に議論して、意思決定できるように工夫しました。
議論の末これからよりVisionalのエンジニア組織について、合理的で先進的なイメージを与え、かつ、他社との差別化を図るために、企業ブログとしては事例の少ない黒ベースのデザインが採用されました。
多くの人のデザインに対する意見をまとめる難しさを初めは感じていました。実際には自分が説明した意見やアイデアにきちんと耳を傾けてもらえるので、プレゼンの工夫次第できちんと合意を得られて、私も自信になりました。
リニューアルを一緒に担当したエンジニアとのやり取りからも多くのアイデアが出ました。
採用された黒ベースのデザインはプログラミングで使用するツールで最近人気のあるダークモードからの発想であったり、メインビジュアルを実装で動的なものにして、伝えたいコンセプトの1つである創造性を技術的に強調するなど、自分一人では思いつかないデザインです。
何より、普段からユーザーの体験を重視してプロダクト開発をしているエンジニアから、使いやすさの面でとても鋭い指摘が多く、勉強になりました。
リニューアルしたエンジニアリングブログが公開された後も、引き続き運営に関わっています。毎週の編集会議に出席し、読者の反応や新しい記事の企画に対してデザインでできることを提案しています。
大枠のデザインを作って終わりではなく、コンテンツがしっかりと読者に届くように、記事のタイトルの表現や画像の選定も大切にしています。また、より読みやすいブログになるよう、導線を追加したりデザインを見直すなど小さく改善し続けています。
最近は一人でデザイン全てをこなすのではなく、デザイナー以外のメンバーもキービジュアルのたたき台をつくれるようにしました。制作ツールをPhotoshopからFigmaに移行し、メンバーが文字や画像を配置。私が最終調整を行うフローにして、より効率化することにも取り組んでいます。
現在は読者の方も増え、面接を受けてくださった方からもブログを読んだという声もいただいています。
このリニューアルプロジェクトは私自身の成長に大きくつながりました。
デザイナーになったばかりのころは、指示された通りに仕事をすることもありましたが、今は自分がプロジェクトや会社について主体的に考え、できることをより多面的に考えるように変化しました。
これまでに社内で作られたデザインをなぞるのではなく、日々変化する組織や仲間にあったものを常に作り続けること。以前は会社のブランドイメージがあり、それに沿って作るデザインの幅の狭さを感じていましたが、自分が今必要な表現方法を考えていなかっただけだと気づかされました。
さらに、目的を達成でき、魅力的なデザインを作るためには決まりきったやり方にとらわれず、多くの仲間を巻き込める面白さはインハウスデザイナーならではだと感じています。
デザイナーとしていろいろな働き方がありそれぞれ違った面白さがあると思いますが、この記事を読んでVisionalのグラフィックデザイナーの仕事に興味を持っていただければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。