
課題解決の秘訣は、「寄り添い」と「積み重ね」事業課題を解決するために、デザイナーとしてできること
こんにちは、プロダクトデザイナー7年目の熊谷慶人です。現在、OB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」というサービスを担当しています。 ひとことにプロダクトデザイナーと言っても活躍の場は様々だと思います。私は事 […]
こんにちは。HRMOS事業部でプロダクトのUIデザインを担当している三田です。
Visionalでは成長中の事業に加え、社会の課題を解決するため、複数の新規事業を立ち上げています。
今回は、ハイスキルITエンジニア転職プラットフォーム「BINAR」のデザイナー 景山、セキュリティ評価プラットフォーム「Assured」のデザイナー 戸谷の2名に、オススメの本を3つの観点から選んでもらいました。
新規事業は不確実性が高く、デザイナーも重要な意思決定を求められることもあり、デザインスキルだけでなく、カオスな状況を乗りこなし、必要なことを自ら吸収するマインドセットも求められます。
本を紹介したデザイナーは、新規事業のデザインを1人で担い、まさに「0から1のデザイン」に取り組んでいます。
「0→1」フェーズの新規事業を担当しているデザイナーや、デザイナーとして事業にコミットしたいと考えているみなさまの参考になれば幸いです。
樽本 徹也 著 / オーム社 / 2018.4.26 発売
ユーザー調査の手法が網羅され、注意事項や起こりがちな論点、知識を深めるガイドと、盛り沢山の内容をまとめて知れる本です。
細かい実践方法に焦点を当てた本は多くありますが、現場では状況に合わせて調整しながら進める必要があります。この本は、手法の目的やコンセプトから説明されており、アンチパターンや特定の手法を深掘りするための参考文献なども紹介されています。そのため、調査で壁を感じたときに、辞書的にパラパラと見て違う角度からのヒントを得ています。
ユーザー調査の基本は理解しているが、実践に課題を持っている方にオススメしたい1冊です。
(デザイナー:景山 泰考)
マーク・スティックドーン, アダム・ローレンス, マーカス・ホーメス,ヤコブ・シュナイダー 編著, 安藤 貴子, 白川部 君江 訳, 長谷川敦士 監修 / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2020.2.18 発売
「サービスデザイン」を実践するために必要な心構え、フレームワーク、ファシリテーション手法などをひと通り俯瞰して学ぶことができる本です。手法のページは、ビジュアル図解と説明のバランスがよく読みやすいだけでなく、事例もセットで紹介されているためイメージがしやすいのが特徴です。
また、単なる手法の紹介だけでなく、なぜサービスデザインが必要か、そもそもサービスデザインとは?、から記載されているのも良い点です。フレームワークを活用する人自身がマインドセットをきちんと理解していると、チームの理解が得やすく導入がスムーズになります。
私が気に入っているのは「サービスデザイン実践の12戒」というマインドセットの紹介。はじめにここまで読むだけでも価値があるのではないかと思います。
サービスデザインプロセスのフェーズ、あるいは目的によって参照しやすいつくりになっていますが、いかんせん大変ボリュームのある本なので、辞典や手引きのように手元においておきたいタイプの1冊です。私自身、実践できていることはまだまだ少ないですが、折に触れてヒントにしていきたいなと思います。
(デザイナー:戸谷 慧)
Amy Morin 著, 長澤 あかね 訳 / 講談社+α新書 / 2019.10.19 発売
長期的に大切する軸を持ちながら、決断し行動する大切さは、子育てにも仕事にも共通すると思い出させてくれる本です。
どんな仕事にも言えるかもしれませんが、特に新規事業では、不確実性の高い事象と向き合う精神的なタフさを求められることが多いです。この本では、自分自身が育ってきた環境下で身につけられなかったメンタルの強さを手に入れるため「子を持つ親としてやめるべき13の習慣」が紹介されています。
「いきなり完璧を目指さない」「『とりあえず』の解決策に走らない」などの習慣は、子育て本ですが充分仕事にも当てはまる内容になっています。この習慣を厳格に守るというよりは、まずはできることからはじめて、自分なりの軸を持つことが一番重要なことだと思います。
不確実性のなかで、自分の価値観も柔軟に変容させながら新規事業に携わる人に読んでほしい1冊です。
(デザイナー:景山 泰考)
ほぼ日刊イトイ新聞 編 / 株式会社ほぼ日 / 2019.7.30 発売
新規事業では不確実性の高い課題に、少人数のチームで効率よく取り組み続ける必要があります。そんなとき、デザイナーに求められる姿勢として「対話」「整理」「推進」があると、私は考えます。
「対話」は、ユーザー、チーム、ステークホルダーなど事業に関わる様々な人々のことを理解するために。「整理」は、解決するべき抑えどころを見極めるために。「推進」は、対話した仲間とともに役割にこだわらず、解決すべき課題に取り組むために。そして、いずれにも全体を見渡す俯瞰した視点と、解像度高く理解する視点の両方が必要です。
『岩田さん』は、任天堂の元社長、岩田聡さんの言葉を集めた本です。若くして社長に就任した岩田さんがはじめにしたことが、社員との対話でした。元プログラマならではの思考で、社員や事業の課題を見極めていったといいます。岩田さんの言葉からは、仕事に真摯に向き合われていた姿勢が感じられ、新規事業に取り組むデザイナーとしてとても勇気がもらえる1冊です。
(デザイナー:戸谷 慧)
Barbara Minto 著, グロービス・マネジメント・インスティトュート 監修, 山崎 康司 訳 / ダイヤモンド社 / 1999.3.1 発売
今の課題は、サービスを大きく前に進めるために、日々得られるユーザーの情報を素早く仮説検証し、より大きな仮説を探し当てることです。この課題に取り組む中で、日頃なんとなく行ってしまう「考える」「書く」(アウトプットする)といった作業に改めて意識的に取り組む必要がありました。
この本は、「考える」「書く」ということを、ルールや具体例を通して「技術」として紹介しています。感覚でやってきたことを意識的に行うには難しさもありましたが、この本の内容を実践してから考えが整理され、仕事を早く進められるようになりました。
また、新規事業の現場では多くのことを並行して実施する必要があり、端的にわかりやすいコミュニケーションが求められます。その際にもこの本で得た技術を活用しています。
(デザイナー:景山 泰考)
森田 哲生 著 / 角川アスキー総合研究所 / 2016.6.17 発売
私が現在取り組んでいる事業では、伝わる言葉で書くことがとても重要です。
ユーザーから、正しい情報を集める必要があるサービスなのですが、アンケートの内容をユーザーに理解してもらい、回答をわかりやすく記述いただく必要があります。また、1度情報を入力してしまえば、更新する機会が少ないため、ユーザーが「学習」する体験も設計しづらいという特性もあります。
この本で触れられているのは、告知文やプレスリリース、ランディングページのライティングについてですが、ユーザーがどのような流れでサービスに触れ、どういった手順で情報を伝えると理解されるか、という点は、プロダクトの体験設計やUIデザインのライティングにも応用できる点があります。
作文に関する書籍はたくさんありますし、近年ではUXライティングの本も多く出版されていますが、ユーザー視点で文章を組み立てる方法が理解しやすいのはこの1冊だと思い、いつも手元においています。
(デザイナー:戸谷 慧)
次回もお楽しみに!