
デザインの品質を定量化する「コミュニケーションデザイン評価モデル」
株式会社ビズリーチにて、コミュニケーションデザイン部の部長を務めます三井です。 コミュニケーションデザイン部では、デザインの観点を定義し、デザイン品質を定量化する「コミュニケーション評価モデル」を運用しています。今回はコ […]
「キャリトレ」は2022年12月をもってサービス終了しました。
こんにちは、デザイナーの木原です。
私は若手向け転職サイト「キャリトレ(旧:キャリアトレック)」のデザインを担当しているのですが、ある業務でAppStoreのスクリーンショットの画像制作をする機会があり、それをきっかけにASOにも携わるようになりました。
その際、アプリストアのキーワードを見直したところ、狙ったキーワードでの検索結果の順位を下の図のように上げることができました!
今回はその取り組みの一部をご紹介し、皆様のASOのお役に立つ情報がお届けできればと思います。
ASOとは、App Store Optimization(アプリストア最適化)の略です。わかりやすく例えるとSEOのアプリストア版で、様々なキーワードで検索に引っかかるようにしたり、その後ダウンロード数につなげるための取り組みのことです。
一般的にASOはApp Store・Google Play Storeのアプリストアページを最適化する施策のことですが、本記事ではApp Storeに絞った内容をお伝えします。
一概にASOといっても、改善する箇所は3つです。
ユーザーがアプリをダウンロードできるのは検索結果画面(①)と詳細画面(③)の2箇所で、どこに力を入れるかで対策内容も変わってきます。
▼ 主な対策内容
ランキングにとても影響すると言われているタイトルについては、見た瞬間にどのようなアプリか分かるようなものにしておくことが大切です。アプリ名の認知度にもよりますが、大手のサービスのようなネームバリューがない場合は、下記のように、アプリ名より前に説明を入れるのもポイントです!
タイトルは30文字入ります。キーワードを詰め込みたくなりますが、あまりにもキーワードを入れすぎるとリジェクト(※)される可能性が高くなるので気をつけましょう。
※リジェクト:アプリのリリース申請が却下されること
キーワードを決める際には、まず現状の調査が欠かせません。
無料で競合アプリが設定しているキーワードをチェック出来るApp Annie や Search Manなどのサービスを使用して、競合アプリがどのようなキーワードで検索結果順位が高いのかを調べたり、自社のアプリの現状を知ることが大切です。
現状設定していないキーワードで検索結果のトップ10の競合と比べ、検索結果のランキングを上位にあげられるかを考慮した上で設定すると、良い結果につながりやすいです。
・App Annie
・Search Man
100文字が上限なので、「,」カンマで区切って「転職,スカウト」のように文字を詰め込みましょう!キーワードを沢山入れたほうが、検索した時に上位に表示される可能性がアップします。App Storeで設定しているキーワードは、ユーザーからは見ることが出来ません。現状、キーワードが設定されていない場合はとてももったいないので是非設定してみてください。
現在(2017年7月)、App Store内でアプリを検索した際に表示される情報は、以下の5つです。
・アイコン
・タイトル
・会社名(開発者名)
・スクリーンショット
・レビュー数 ★★★★★(10)
スクリーンショットの流行(2016年末〜)
その中でもスクリーンショットは表示面積が大きいので、見た瞬間に多くの人から興味を持ってもらえるようなデザインにすると、ダウンロードや詳細画面への遷移に繋がりやすくなります。
昨年末頃から、検索画面で表示されるスクリーンショット2枚を合わせて、1枚の絵に見立てて背景画像や文字等をレイアウトするデザインが流行しています。web広告で人物写真が使われているものが多いように、スクリーンショットでも、視線を集めやすい人物写真や数字などを使用すると、より目立つようになります。キャリアトレックでも、ASOのスクリーンショット画面に人物写真を使用しています。
スクリーンショットデザインの流行は、アプリのジャンル(ゲーム・教育・ビジネス……)によって異なるので、事前に競合アプリがどのようなデザインをしているかApple Storeでチェックしてみましょう。
デザイナー必見情報
以前、App Storeにアップロードするスクリーンショットの画像作成は、スクリーンショット訴求(最大5枚)×アプリの対応サイズ(iPhone4S、iPhone5、iPhone6,、iPhone6 Plus、iPad、iPad Pro)を作らなくてはならなかったため、デザインが出来た後もリサイズに苦労していた方が多いのではないでしょうか?
現在はiPhoneとiPadのそれぞれ1サイズ作れば全てのサイズに自動でリサイズしてくれます。iPhoneのみ対応のアプリで1サイズのみを作る際は、一番大きなサイズのiPhone Plus(1080×1920)を作るのが良さそうです。
スクリーンショットに加えて動画も1つアップロード出来ます。私の失敗談から、動画を載せる際のポイントをお伝えします。
① 縦長で揃えよう
App Storeではスクリーンショットを縦長でデザインしている場合、動画も縦で表示されます。(スクリーンショットを横でデザインしている場合は動画も横長で表示されます。ゲームアプリ等は横のスクリーンショットデザインが比較的多いです。)
横長の動画を設定すると動画を流していない状態でもiPhoneの画面幅で小さく表示されてしまいもったいないので、縦の動画を作りましょう。
②動画の冒頭はスクリーンショット画像を入れよう
もう1点注意したいのが、動画を設定した場合はスクリーンショットの前に表示されてしまうので、検索時に2枚の画像が繋がるようにスクリーンショットを作っても動画で順番が変わってしまいます。
縦で動画を作る場合は冒頭にスクリーンショットのデザインを入れておくと検索結果画面でもデザインが崩れずにすみます。(※下記添付画像はイメージです)
③横長動画をアップロードする際の注意点
横長の動画をアップロードすると、検索結果画面にスクリーンショットが表示されず動画のみしか表示されないので、注意が必要です。(※下記添付画像はイメージです)
動画を設定するメリットとは?
仮説ではありますが、検索結果画面では動画が自動再生されずに、動画の箇所をタップすると詳細画面に遷移するので、アプリ詳細画面への遷移数を増やすことへの効果があるのではないでしょうか。ゲーム関連は動画を設定しているアプリが多いです。
Google Play Storeでは以前から、ユーザーから頂いたレビューへの返信機能があったのですが、iOSでは返信機能はなく、開発者とユーザーのコミュニケーションを取る機会がありませんでした。
ですが、2017年3月末からiOSでもユーザーから頂いたレビューに返信出来るようになりました!ユーザーの方から頂いた不具合の連絡や嬉しいフィードバックに返信が出来るので、返信をしてUXを高めることもASOに繋がります(※)。
※返信を確認することができるのは、iOS 10.3・OS X 10.6.6 以降の端末のユーザーのみです。
実際にASOをやる中で、コストをかけずにダウンロード数やランキングを上げることができたのはもちろん、アプリをユーザーに知ってもらい、届けるところまで携わることができてとても楽しかったです!
作ることに注力しがちなデザイナーですが、これからもマーケティング視点を持って、ユーザーにサービスを届けて行きたいなと思います。
※2018年4月25日に「キャリアトレック」は正式名称を「キャリトレ」に変更しました。