
課題解決の秘訣は、「寄り添い」と「積み重ね」事業課題を解決するために、デザイナーとしてできること
こんにちは、プロダクトデザイナー7年目の熊谷慶人です。現在、OB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」というサービスを担当しています。 ひとことにプロダクトデザイナーと言っても活躍の場は様々だと思います。私は事 […]
こんにちは。ビズリーチ事業部でプロダクトのUIデザインを担当している田頭です。
今回は、Visionalで事業を牽引するプロダクトデザイナーに、デザイナーとして大切にしている姿勢や考え方を形作った一冊を聞きました。
Visionalのプロダクトデザイナーは、プロダクトの要件定義から表層のUIデザインまでに携わり、日々プロダクトの改善を繰り返しながら、ユーザーの課題を解決しています。
そのために求められるのは、デザインスキルだけではありません。事業を成長させるビジネスの視点や、ステークホルダーの中心に立って情報を整理するコミュニケーションスキルなど、多くのスキルが求められます。
このような環境で活躍するプロダクトデザイナーは、どんな本から影響を受け、自身の考え方に反映してきたのでしょうか。本を通じて得た学びも合わせて紹介します。
ただデザインを作るだけではなく、ユーザーの課題を解決して、事業に貢献したいと考えるデザイナーのみなさまにとって、ヒントになれば幸いです。
シンディ・アルバレス 著 , 堤 孝志 監修 , 飯野 将人 監修 , エリック・リース 編集 , 児島 修 翻訳 / オライリージャパン / 2015.4.25 発売
事業に寄り添うデザイナーとして、働き方の指針を与えてくれた本です。
この本では「売れないリスク」とは、誰も困っていない事象を課題として定義することとしています。言い換えると、誰も望まないプロダクトやサービスを作ってしまうことです。
自身の生活を振り返ると、プロダクトやサービスを通じて、課題が解決されていることがわかります。「課題を解決すること」に意識が向きがちですが、「解決すべき課題を正確に捉えること」こそ、ビジネスの根幹だと気付かされました。
デザイナーは誰よりもユーザーの心情を理解すべき存在です。判断に迷い「誰の、どのような課題を解決するか」という初心に立ち返りたいときに、手に取る一冊です。
(デザイナー:ジャスコ)
市谷 聡啓 著 , 新井 剛 著 / 翔泳社 / 2018.2.7 発売
この本は、アジャイル開発の実践例を紹介する本ですが、私にチームと向き合うきっかけを与えてくれました。
タイトルにもあるように「越境」をテーマに、主人公が役割やチームの境界を乗り越え、組織を変え、ユーザーに価値を提供するまでがストーリー形式で書かれています。
私も知らないうちに、デザイナーと他職種、自チームと外のチームのように「境界」をつくっていました。この本に出会い、デザイナーとしてではなく1人の人間として、チームや組織を「カイゼン」するために失敗を恐れずにやってみよう。そう後押ししてくれました。
チームで働くうえで、何かをカイゼンしたいと思うすべての人の背中を押してくれる一冊です。
(デザイナー:五十嵐 未夏)
スーザン・ワインチェンク 著 , 武舎 広幸 翻訳 , 武舎 るみ 翻訳 , 阿部 和也 翻訳 / オライリージャパン / 2012.7.14 発売
プロダクトデザインを考えるうえで、ユーザーを理解するために役立つ知識が詰まっている本です。
人間の行動や判断の特性を様々な研究成果をもとに知ることができます。「ユーザーに何か選んでもらうなら選択肢を絞る」や、逆に「見に来てもらうことが目的なら選択肢は多い方が良い」など、実践に役立つノウハウがたくさん紹介されています。
現場でデザインを決める足がかりとして、助けてもらっている一冊です。
(デザイナー:武 穂波)
ジェイク・ナップ 著 , ジョン・ゼラツキー 著 , ブレイデン・コウィッツ 著 , 櫻井祐子 翻訳 / ダイヤモンド社 / 2017.4.13 発売
この本は、私が「なんとなく仕事は回せる。しかし、これでいいのか?」と迷ったときに、あるべきプロダクトデザイナー像を見失わないための大事な一冊です。
本には、Design Sprintというデザインプロセスについて書かれています。課題特定から、ヒアリング、ソリューション制作までの一連のプロセスを高速で回していく手法です。この速度がとにかく早く、なんとなく仕事をこなしそうになったときに「もっと高速でできるんじゃないか?」「1日あればこの仮説を検証できるのでは?」と考えるようになり、自分の姿勢を改めるときに重宝しています。
Design Sprintの手法を業務に役立てることもできますし、まだあるべきプロダクトデザイナー像を持てない方にも是非オススメしたい一冊です。
(デザイナー:熊谷 慶人)
ジェフ・ゴーセルフ 著 , ジョシュ・セイデン 著 , 坂田 一倫 監修 , エリック・リース 編集 , 児島 修 翻訳 / オライリージャパン / 2017.7.4 発売
IT業界の新規事業に関わるプロダクトデザイナーが持つべきマインドセットを学べる本です。
LEAN UXは、手法ではなくマインドセットです。この本では、「なぜ今、LEAN UXが必要なのか」という理由から、LEAN UXの基本指針、具体的な進め方、実例などを解説しています。
本を読むまでは「デザイナーがやりたいと言った機能が削ってリリースされた」という風にデザイナー本位の考えになってしまうこともありました。
しかし、LEAN UXのマインドセットから、「常に変化を把握し、チーム全員でユーザーの課題解決を考え、仮説検証を繰り返す。検証したデザインを素早くリリースし、フィードバックを得て次へ活かすこと」これが何より大切だと思えるようになり、自分がチームの一員としてどう動くかを考えるときに役立っています。
本の冒頭にあるLEAN UXが必要な理由や基本指針の部分だけでも、一読の価値がある一冊です。
(デザイナー:臼倉 すみれ)
次回もお楽しみに!