
企業の進化に変化をもたらす「融ける“デザインのチカラ”」
“Design is too important to be left to designers.” —— デザインはデザイナーだけに任せるには重要すぎる 「口紅から機関車まで」さまざまなデザインを手がけたレイモンド・ […]
こんにちは。ビズリーチ事業部でプロダクトのUIデザインを担当している野田です。
自宅にいながら読書でのインプットを最大化することを目的に、オンライン輪講を開催しました。今回は、そこで感じたメリットをご紹介します。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、在宅勤務の時間が続き、オンラインでやり取りを行う機会が相対的に増えています。 本記事がオンライン輪講を実践していただく、きっかけのひとつとなれば幸いです。
輪講とは、数人で1冊の課題図書を分担して読み、その内容から得た学びを互いに講義しあうインプットの方法です。インプットした内容をメンバーにアウトプットすることで、学習定着率を高める目的があります。
以下に輪講の進め方を簡単にご紹介します。
1.課題となる本から、それぞれの発表者が取り上げる章を決める。
2.事前に発表者は、担当する章の講義用スライドを理解を深めるための補足情報などを加えて作成。
3.他の参加者は取り上げる章を読んで、ディスカッションしたい内容や質問をまとめておく。
4.発表者が講義を行い、講義に関するディスカッションや質問をして、理解を深めていく。
より詳細な輪講の進め方については、 過去に輪講を取り上げたこちらの記事をご覧ください。
今回は、この手順をオンライン用にアレンジして行いました。
今回は課題図書として『IAシンキング』を選びました。
坂本 貴史 著 , 宮崎 綾子 編集 , 長谷川 恭久 / ワークスコーポレーション / 2011.3.29 発売
情報設計の理論と実践を往復しながら学ぶ形式で、初心者も手に取りやすい情報設計の教科書と言えます。今回はこの本の1章と2章を取り上げました。発表者は『IAシンキング』を読んで、Figmaでこのような講義用のスライドを作成しました。
今回はFigmaとZoomを使用して、以下のステップを1時間かけて行いました。
1.スライドに沿って章の概要とポイントを講義(15分)
今回取り上げる1章と2章の講義を各章7分で行います。
2.各章の内容についての議論や質問(15分)
各章の講義が終わるごとに、聞き手は講義を聞きながら考えたことや、事前に本を読んで感じた疑問を質問して、議論を進めます。
3.ワークショップで講義の内容を実践(10分)
本来の輪講には含まれませんが、今回は内容の理解を深めるため、本の中で取り上げられている「カードソーティング」のワークショップを行いました。
カードソーティングとは、情報をグループ化または階層化して分類・整理する手法です。異なる粒度の情報をひとつずつカードに書き出し、情報のグルーピングやソーティングを行います。
4.学びや反省点を伝え合う (20分)
最後に本の内容やワークショップについての学びや反省点を伝え合います。
私は、この時間で事前に読んでいた『IAシンキング』の中で、曖昧に捉えていた言葉について議論でき、解釈が明確になったことを述べました。
今回、オンライン輪講をやってみて、感じたメリットは以下の3点です。
1人で読んでいた『IAシンキング』。特に概念的な内容は、理解しているつもりで、噛み砕いて理解できていなかった部分が多くあると気付きました。今回の輪講で、情報設計の概念について議論したことで、より深く理解ができたと感じました。
今回、業務でデザインする対象がプロダクトと広告で、違うデザイナーが参加しました。お互いの情報設計の方法を知り、見るポイントの共通点と違い、それぞれの方法のメリットを学ぶことができました。いつもは違う仕事をしているデザイナーとの議論を通じて、情報設計の見方がを増やすことができました。
オンライン輪講は対面で行う輪講に比べ、参加に対する心理的なハードルが低いと感じました。輪講を行うための場所の確保や、実際に移動する時間的コストもないので、オフラインより気軽に開催・参加することができます。
今回の輪講に参加したデザイナー 土居の感想もご紹介します。
カードソーティングを行なって、情報を分類する手法を業務に活かせると感じました。
広告のコピーやトンマナを決める際、ターゲットユーザーの年齢や職種など、わかりやすい情報を並べるだけでは表層的な広告になってしまいます。カードソーティングでは、カテゴリーで分解しながら情報の深掘り(メタ化)を行うので、より効率的にターゲットに刺さる文言やイメージを洗い出すことができそうです。
今回はFigmaを使用しましたが、次回はオンラインでホワイトボードとポストイットを共有できるMiroを使用して、講義中に参加者が気軽に疑問点や気づいたことをポストイットに書き出して、よりインタラクティブで活発な議論ができる輪講にしたいです。
オンラインであっても、インプットを最大化する輪講本来の目的は達成できました。オンラインツールの活用や、対面よりも気軽に参加できるオンラインならではのメリットもあると思います。ぜひ、この機会にオンライン輪講にトライしてみてはいかがでしょうか。