
組織づくりをリードする2人が選んだ、組織と文化をデザインするための6冊
こんにちは。ビズリーチ事業部で企業さま向けのWebサイトの改善を行なっています松永です。 今回は、株式会社ビズリーチのCDO(Chief Design Officer)を務める田中裕一、Visionalのデザイン組織にお […]
Visionalではデザイン戦略推進の一環として、デザイナーが仕事を通じて成長できる機会と環境を企業として提供するため、さまざまな取り組みをおこなっています。
そのうちのひとつとして、社員のリクエストをもとに書籍を購入し、質の高いインプットの機会をサポートする「クリエイティブ図書館」を設置しています。
この「クリエイティブ図書館 企画展」では、毎月ひとつのテーマにそって書籍を紹介します。今回のテーマは『新卒デザイナーが1年前の自分におすすめしたい本』です。気になる書籍があれば、ぜひチェックしてみてくださいね。
今回の企画展では『1年前の自分におすすめしたい本』をテーマに、この春から2年目になったデザイナーが選書しました。
この1年は、日々の業務で挑戦を続けながら、成功と失敗を繰り返し、デザイナーとして成長した1年でした。デザイナーの業務は、グラフィックデザイン、プロダクトの運用や設計、ステークホルダーとのコミュニケーションに至るまで多岐にわたります。それぞれの要素が複雑に関わり、考慮すべきことは少なくありません。その中で私たちの助けとなったのは、先輩からのアドバイスや内省だけでなく、本から得た知識です。
この春からデザイナーとして働く方や、デザイナーを目指す方に向け、Visionalのデザイナーが成長するヒントとなった9冊を紹介します。ぜひご覧ください。
(クリエイティブ図書館司書:野田 美紗子)
アーロン・イリザリー , アダム・コナー 著 , 長谷川 恭久 , 安藤 貴子 訳 / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2016.5.24 発売
Visionalに入社して、私は自分の制作物をレビューされるのが怖く、レビューの場で意見を言う自信が持てませんでした。本書からは、積極的にデザインレビューを貰う意味と目的を学びました。本書ではデザインをレビューすることを「デザイン批評」と呼び、レビューをする側、される側、それぞれの気を付けるべきことが書かれています。デザインレビューも目的を達成する手段のひとつだと改めて実感でき、レビューに対して前向きに取り組めるようになれました。
(プロダクトデザイナー:服部 愛)
水野 学 著 / 朝日新聞出版 / 2014.4.18 発売
デザインで思うように手を動かせず悩んでいた時に、先輩からすすめられたのがこの本でした。
「センスとはひらめきではなく、知識の集積によって形成できるもの」
クリエイティブディレクターである水野学氏の言葉に、自分にセンスがないと決めつけて焦ることはないと思え、改めてデザインに向き合うきっかけになった一冊です。
(プロダクトデザイナー:阪上 葵)
カイシ トモヤ 著 / エムディエヌ コーポレーション / 2016.11.15 発売
デザイナーとして働く上で、重要な考えが詰まった実用書です。
特に印象に残っているのは「入稿の本当の意味」という章。「入稿する=完成する事」ではなく、「次の作業工程の人にバトンを渡し、クリエイティブリレーをつなぐ事」というお話。常に前の人の気持ちを汲み取って、後の人に意志を伝える事がデザイナーとして求められる力だと学びました。デザインを楽しむことに行き詰まってしまった際には、ぜひ一度手にとって欲しい一冊です。
(デザイナー:土居 若奈)
坂本 貴史 , 宮崎 綾子 , 長谷川 恭久 著 / ワークスコーポレーション / 2011.3.29 発売
「情報設計」とは何のための工程なのか。Webサービスのデザインを仕事にして、壁にぶつかった私はこの本をとりました。
この一冊に、情報設計はWebサイト全体の骨格部分を設計する重要な工程であることと、情報設計における思考プロセス、それを学べる演習がまとめられています。「情報設計は耳にするけれど、なんとなくしか理解できていない」方におすすめしたい、情報設計の教科書です。
(プロダクトデザイナー:田島 拓実)
アラ・コルマトヴァ著 , 佐藤伸哉 監修 , 株式会社Bスプラウト 訳 / ボーンデジタル / 2018.12.25 発売
この本には、ユーザーにとって統一感のある体験できるよう、開発を効率的に進められるデザインシステムの実践事例がまとめられています。
デザインシステムを実践することは、プロダクトのデザインやチームの作業工程を見直し、仕組みを整えることです。私自身、仕組みをつくり作業を効率化する重要性に気付くまで時間がかかりました。チームだけでなく、自分自身の作業効率化を考える上でも学びが多い一冊です。
(プロダクトデザイナー:黛 友梨)
スティーブ・クルーグ 著 , 福田 篤人 訳 / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2016.6.24 発売
ユーザビリティの高い製品を作ることは、プロダクトデザインに関わる人は誰しも考慮することです。プロダクトデザインに関わるようになり、モノを使う上で感じる不快感や違和感について言語化する大切さに気付きました。
Webサービスなどのデジタルプロダクトに留まらず、リモコンや回転ドアなどのリアルなプロダクトでも、ユーザーが使いやすいかを判断するヒントが詰まった一冊です。
(プロダクトデザイナー:田頭 菜々美)
伊藤 羊一 著 / SBクリエイティブ / 2018.3.14 発売
「1分で話せないような話は、どんなに長くても伝わらない」「理解してもらうはゴールにならない」「頑張ったことは話すな!」など、痛快な言葉と共に人に伝わる話し方のコツが書いてあります。
仕事の中で、自分が作ったデザインの理由を説明する時や、何かお願いをする時など、考えを正確に伝えることは大切だと感じる場面はとても多くあります。「伝える」技術について知りたい方はぜひ読んでみてください。
(デザイナー:友清 実優)
谷山 雅計 著 / 宣伝会議 / 2007.5.15 発売
広告コピーは、デザインと通ずる所があります。
私たちが伝えたいこと、ユーザーの知りたいことや、欲しいものをどう届けるかを考えなければならないからです。身の回りの人がどんな気持ちでこの商品を使っているかを考えてコピーを制作した事例など、広告コピー制作の裏側が書かれています。言葉で思いを伝えることも、一種のデザインです。その行為の面白さについて、初心者でも楽しく読め、身の回りのコピーの感じ方が面白くなる一冊です。
(デザイナー:住岡 梓)
内田 和成 著 / 東洋経済新報社 / 2010.1.29 発売
デザイナーの役割のひとつは、課題解決のソリューションを提案し、作ることです。しかし、デザイナーの考える課題と、ユーザーの本当の課題がくい違っていたら、デザイナーの仕事は価値あるものにはなりません。
本書では解決すべき課題のことを「論点」と呼び、論点を定義し、解決に向かうプロセスを紹介しています。課題と解決方法が無数にある中で、本質的な課題を見つけ、解決することは簡単ではありません。本質的なユーザーの課題解決とは何かを考えるデザイナーにこそ読んで欲しい本です。
(プロダクトデザイナー:野田 美紗子)
次回の本棚もぜひお楽しみに。