
組織づくりをリードする2人が選んだ、組織と文化をデザインするための6冊
こんにちは。ビズリーチ事業部で企業さま向けのWebサイトの改善を行なっています松永です。 今回は、株式会社ビズリーチのCDO(Chief Design Officer)を務める田中裕一、Visionalのデザイン組織にお […]
Visionalではデザイン戦略推進の一環として、デザイナーが仕事を通じて成長できる機会と環境を企業として提供するため、さまざまな取り組みをおこなっています。
そのうちのひとつとして、社員のリクエストをもとに書籍を購入し、質の高いインプットの機会をサポートする「クリエイティブ図書館」を設置しています。
この「クリエイティブ図書館 企画展」では、毎月ひとつのテーマにそって書籍を紹介します。今回のテーマは『UXデザインのこれまでとこれから』です。気になる書籍があれば、ぜひチェックしてみてくださいね。
今回の企画展では『UXデザインのこれまでとこれから』をテーマに選書しました。
昨今、UXデザインという言葉は様々な意味で使われ、共通の認識を持ちづらくなっています。しかし、より良い体験をユーザーに提供するには、この考え方は欠かせません。
私自身もUXデザインという言葉が持つ意味の多様さにつまずき、チーム内の認識が揃っていないことに気がつきました。これまで使っていた言葉の認識を見直し、これからの課題解決の手引きとなれば幸いです。
(クリエイティブ図書館司書:野田 美紗子)
川西 裕幸, 栗山 進 , 潮田 浩 著 / 日経BP / 2012.1.26 発売
本書は日本マイクロソフトで開催された「ユーザーエクスペリエンス デザイン ワークショップ」をもとに制作されており、読者がワークショップを追体験できる構成になっています。それぞれのメソッドが詳細に語られた書籍は多くありますが、メソッドを取り入れた結果まで書かれている書籍は珍しいかと思います。点ではなく線として、連なりのあるUXプロセスを知り、UXデザインの知識を整理できる一冊です。
(デザイナー:土居 若奈)
ジェフ・ゴーセルフ, ジョシュ・セイデン 著 , 坂田 一倫 監修, エリック・リース 編集 , 児島 修 訳 / オライリー・ジャパン / 2017.7.4 発売
なぜLean UXが必要とされているのでしょうか? 競争が激しく、変化の早いIT業界では、リスクや開発コストを最小限に抑えるためのマネジメントや開発手法が求められます。Lean UXは、ユーザーが抱えている問題に着目することで、プロダクト開発における不確実な要素をできる限り排除し、条件や仮説の検証を繰り返す仕組みを構築します。そうして、短期間でユーザーに適した体験を作る手法です。本書では、このLean UXのプロセス全体を解説します。
(プロダクトデザイナー:田頭 菜々美)
ウィル・グラント 著, 武舎 広幸, 武舎 るみ 訳 / オライリージャパン / 2019.11.9 発売
インタフェースデザインにおける「よくある落とし穴」を巧みに回避でき、「成功への近道」を示す、経験の浅いデザイナーにもわかりやすい指南書です。また、これまで当たり前とされてきた考え方に対して、あえて異議を申し立てるスタンスをとっているため、定説を見直して、より良い方法を模索するきっかけにもなるでしょう。優れたユーザーエクスペリエンスを実現する上で、欠かせない一冊です。
(デザイナー:土居 若奈)
ピーター・モービル 著 , 高崎 拓哉 訳 , 長谷川 敦士 / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2018.8.22 発売
情報設計やUXの分野で先駆者にあたる著者が、さまざまなプロジェクトを成功させるための計画づくりについて解説した一冊です。計画づくりについて、教わる機会は少なく、また、自身の経験や観察をからしか学ぶことはできませんでした。計画を立てる上で、状況が変わると、大切なことや考え方も変わる中で、UXから計画づくりの基本となるプロジェクトの目標と目標までの道のりのデザインを学ぶことができます。
(プロダクトデザイナー:田頭 菜々美)
清水 誠 監修・訳 , 池田 清華 , UX TOKYO 訳 / 丸善出版 / 2012.10.27 発売
サイトサーチアナリティクス(SSA)とはUXの考え方をもとに、サイト内検索のデータ分析から、Webサイトの改善につなげる手法です。本書はSSAについて、思考の手順から解析手法やデータ、改善手法、改善のための組織運用までが網羅されています。SSAを初めて学ぶ人は、まず2章のSSAとは何かを理解するところから、WebサイトのUXの向上を目指す人には11章と、気になる部分からを読むのがオススメです。
(デザイナー:土居 若奈)
ジェームス・カルバス 著 , 武舎 広幸, 武舎 るみ 訳 / オライリージャパン / 2018.1.26 発売
サービスデザインにおけるUXの設計では、顧客を置いてきぼりにしないことが重要です。顧客の体験を可視化するフレームワークは多くありますが、本書はフレームワークに着手する前段階について書かれています。私自身、カスタマージャーニーを検討した際に、顧客の心理を無視して、作り手に都合のいいジャーニーを作った経験があります。自分たちの作るサービスに洞察力と客観性を持ち、顧客の心理に近づくためのアプローチを実践するための手引きになりえるでしょう。
(プロダクトデザイナー:野田 美紗子)
黒須 正明 著・編集 , 松原 幸行 , 八木 大彦 , 山崎 和彦 編集 / 近代科学社 / 2013.6.3 発売
複雑なUXの定義について、人間中心設計の観点から切り込んだ本です。認知科学やユーザー心理、人間工学など幅広くカバーされ、それぞれの要点がまとめられています。このような様々な視座から考慮する必要があるため、UXの概念は複雑化しています。プロダクトがユーザーに近いものであればあるほど、ユーザーのユースケースの漏れは不満や不快感に直結しやすいです。だからこそ、ユーザーを知るためのプロセスもUX設計には不可欠です。ユーザーを知る上で、欠かせない視座を持つことができる内容だと感じました。
(プロダクトデザイナー:野田 美紗子)
次回の本棚もぜひお楽しみに。