Visional Designer Blog

クリエイティブ図書館 企画展『デザイン組織の運営を考える』 – ビズリーチのデザイナーが選ぶ今月の本 

ビズリーチではデザイン戦略推進の一環として、デザイナーが仕事を通じて成長できる機会と環境を企業として提供する、さまざまな取り組みをおこなっています。

そのうちのひとつとして、社員のリクエストをもとに書籍を購入し、質の高いインプットの機会をサポートする「クリエイティブ図書館」を設置しています。

この「クリエイティブ図書館 企画展」では、毎月ひとつのテーマにそって書籍を紹介します。
今回のテーマは『デザイン組織の運営を考える』です。気になる書籍があれば、ぜひチェックしてみてくださいね。

『デザイン組織の運営を考える』展の企画にあたって

今回の企画展では『デザイン組織の運営を考える』をテーマに選書しました。

私たちビズリーチのデザイン組織は、自分たちの組織もデザインの対象とし、日々模索を続けています。今回はデザイン組織の作り方や、プロダクトデザインの効率化、経営層とデザイン組織のあり方など、デザイン組織を運営する上でヒントとなる本を選んでみました。自分たちが所属するデザイン組織について、新しい視座を得るきっかけとなれば幸いです。

(クリエイティブ図書館司書:野田 美紗子)


デザイン組織のつくりかた – デザイン思考を駆動させるインハウスチームの構築&運用ガイド

ピーター・メルホルツ , クリスティン・スキナー 著 , 長谷川 敦士 監修 , 安藤貴子 翻訳 / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2017.12.22 発売

どの企業でも「組織づくり、どうしてる?」が合言葉になった今日。インハウスのデザイン組織をつくる担当者が、入門編として、手に取るにはピッタリの一冊です。デザイン組織の価値観から文化醸成、組織構造、リーダーシップ、マネジメント、採用活動までが網羅されています。具体的なHOWの部分まで落とし込まれており、すぐに実践できる点も魅力的でした。組織づくりを担う者として、この仕事のやりがいや魅力を再発見できる一冊でもありました。

(デザイナーサクセスグループ:末吉 美和子)

ファシリテーションの教科書 – 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ

グロービス 著 / 東洋経済新報社 / 2014.10.31 発売

議論の場で欠かせないファシリテーション。本書はファシリテーターなら、誰しもが通る失敗によりそい「ファシリテーターが何をすべきか。」を解説しています。「トップダウンで戦略を決めてもメンバーのモチベーションは上がらない。『引き出し、決めさせ、自ら動くことを助ける。』というスタイルに転換することが必要である。」など、私が受けたコーチング講座とも繋がる部分に興味が湧きました。どんなに小さなチームでも、このスキルは必要とされます。新卒デザイナーのうちに出会えてよかった一冊です。

(デザイナー:土居 若奈)

CEOからDEOへ – 「デザインするリーダー」になる方法

マリア・ジュディース , クリストファー・アイアランド 著 , 坂東 智子 翻訳 / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2014.9.22 発売

エクスペリエンスデザイン会社の創業者が、DEO(デザイン・エグゼクティブ・オフィサー)を、新たなリーダー像として紹介しています。DEOとはデザインの力で組織作りを担い、自ら変化を起こしながら、事業をグロースさせていく存在です。8名のDEOの体験とともに、変化への適応、システム思考、各ステークホルダーとの関係性構築、リーダーとしての行動指針、誠実さの重要性など、DEOに必要とされるマインドセットが紹介されています。

(デザイナーサクセスグループ:末吉 美和子)

デザインリーダーシップ – デザインリーダーはいかにして組織を構築し、成功に導くのか?

リチャード・ベンフィールド 著 , 三浦和子 訳  / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2018.5.24 発売

世界中で活躍するデザインリーダーが複雑な課題に対して取ったアプローチ事例を紹介しています。いちデザイナーとして働いていると、ついリーダーが「正しい答え」を持っていると思いがちです。しかし、組織で複雑な課題を抱えるリーダーも、日々答えを探して続けているのです。本書はあなたの組織のリーダーが、どのような意図で組織を導いているかを知る手引きとなるかもしれません。

(プロダクトデザイナー:野田 美紗子)

Design Systems – デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド

アラ・コルマトヴァ 著 , 佐藤伸哉 監修 , 株式会社Bスプラウト 訳 / ボーンデジタル / 2018.12.25 発売

AirbnbやAtlassian、TEDなどの名だたる企業のデザインシステムの導入から実践、成功までのプロセスを紹介した一冊です。デザインシステムを導入することで、バージョンアップに伴うデザイン変更、職種をまたいだチームの情報共有がスムーズになります。しかし、成熟したデジタルプロダクトを持つチームに、新しい手法を定着させることは容易ではないでしょう。多くのチームが直面する問題に、この本がヒントとなるかもしれません。

(プロダクトデザイナー:野田 美紗子)

ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド

ケビン・M・ホフマン 著 , 安藤貴子 訳 / ビー・エヌ・エヌ新社 / 2018.9.25 発売

みなさんは最近出席したミーティングで具体的な次のステップを明らかにし、時間を有効に使えたミーティングはいくつありますか? より良いプロダクトを生み出すためには、ミーティングをいかに設計・運営するかが重要になります。本書では、「質問の仕方」、「議論の進め方」にデザイン思考をどう適用すればミーティングで最高の成果を生み出せるのか、わかりやすく示してくれます。チームリーダーやマネージャーのみならず、共創できるチームを作りたい人におすすめの一冊です。

(プロダクトデザイナー:田頭 菜々美)

デザインがイノベーションを伝える – デザインの力を活かす新しい経営戦略の模索

鷲田 祐一 著  / 有斐閣 / 2014.5.16 発売

本書ではマーケティングの視点から、経営におけるデザインの重要性が書かれています。また、マーケティングや経営領域でも、デザインの重要度が高まると、デザイナーもマーケティングや経営への理解が必要になり、デザイン教育のカリキュラムも変化すると予想されています。私が美大にいた頃、組織でのデザイナーの位置付けや、マーケティングについての授業があった背景がわかり大変興味深かったです。なぜ、デザイナーが企業の経営やマーケティングを知る必要があるかがわかる一冊です。

(デザイナー:土居 若奈)

デザインマネジメント原論 – デザイン経営のための実践ハンドブック

デイビット・ハンズ 著 , 篠原 稔和 監修,訳 / 東京電機大学出版局 / 2019.5.27 発売

2018年に経済産業省と特許庁によって行われた「『デザイン経営』宣言」以降、経営層にデザインスキルを持つ人が参加する事例を目にするようになりました。本書はデザイナーに限らず、経営にデザインを導入しようとする人に向けられた本です。私はデザイナーの立場として、経営層のデザインの捉え方を知るヒントとなりました。経営者目線のデザイン論も、デザイナーにとって新鮮な観点となるのではないでしょうか。

(プロダクトデザイナー:野田 美紗子)

次回の本棚もぜひお楽しみに。

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