
デザインの品質を定量化する「コミュニケーションデザイン評価モデル」
株式会社ビズリーチにて、コミュニケーションデザイン部の部長を務めます三井です。 コミュニケーションデザイン部では、デザインの観点を定義し、デザイン品質を定量化する「コミュニケーション評価モデル」を運用しています。今回はコ […]
ビズリーチのデザイン組織は、大きく分けて3つに分かれています。
経営に近い全社横断的なデザイン戦略を推進する「デザイン戦略推進室」。サービスのUIやUXをデザインする「プロダクトデザイン室」。そして、サービスのマーケティングに関わるクリエイティブを制作する「コミュニケーションデザイン室」です。
この数年、サービスとしてのビズリーチでは、バナー広告や会員登録のランディングページといった接点以外にも、テレビCMの放送や大型EXPOへの出展などオンライン以外での様々な場面での露出が増えています。
今回は、こうした施策を企画しているビジネスマーケティング部とコミュニケーションデザイン室との協働について、ご紹介します。事業会社におけるコミュニケーションデザイナーがどう働き、どのように他部署とコラボレーションしているのか、知っていただけたら嬉しいです。
杉内 伸太郎
ビジネスマーケティング部グループマネージャー。法人顧客向けのマーケティング施策の戦略立案やプロジェクト推進、チームマネジメントを行う。
古賀 好二郎
コミュニケーションデザイン室グループマネージャー。ビズリーチなどのサービスの広告クリエイティブにまつわる設計やディレクション、デザインを行う。
—— おふたりは普段、一緒にお仕事されることが多いと思うのですが、改めて自己紹介をお願いできますか?
杉内:
はい。私はマーケティングを通じて、ビズリーチやHRMOS採用(旧:HRMOS採用管理)といったサービスを利用してくださる企業さまを増やしたり、継続して使ってくださるようにしたりしています。法人顧客の方々に向けたマーケティングの戦略を作ったり、プロジェクトを立ち上げたりして事業成長を支える仕事ですね。あとはマネージャーとして、マーケティング部署のチーム運営もしています。
—— 他のサービスと連携することもあるんですか?
杉内:
そうですね。ご利用企業さまにも、複数のサービスを検討いただいているケースもあるので、主担当はありながら連携は常に行っています。
—— ありがとうございます。古賀さんはどうでしょうか。
古賀:
私は、コミュニケーションデザイン室のマネージャーをしています。クリエイティブの面で事業成長を支えているチームで、例えば、バナー広告やランディングページ、メールなどのオンラインのものはもちろん、営業資料やイベントブースのデザインをすることもあります。
私個人としては、デザイナーのメンバーやマーケティングのチームと一緒に、どういう人に、どういう言葉で、どういう見せ方をしていくのかという設計の部分に携わったり、アウトプットのクオリティチェックをしたりしています。
—— 最近だと、オフラインの露出も増えていますよね。
杉内:
たくさんありますね。例えば最近だと、名古屋で人事向けの大きな展示会イベントが開催された際に、電車や駅に広告を出す「交通広告」の施策を行いました。
イベントに合わせた広告出稿なので、電車に乗り、駅へ降り立ち、会場へ向かい、会場内のブースに訪れてもらう、といった一連の体験を考慮して広告を設計していきました。
古賀:
デザイナーが実際に、出稿予定の場所や会場周辺に視察に行ったりもしました。環境を知るのと、擬似体験をするのはとても大切だと思っています。
実際に行ってみないとわからないことって結構多くて。意外と明るい、暗いとか、ビジョンの位置が高い、低いとか、最寄駅と会場の位置関係は実際にどうなってるとか。
駅貼りなどの大きな広告を社内で制作するときも、実寸で出力して確認します。
杉内:
クリエイティブやコミュニケーションについては、マーケティングのチームもデザイナーのチームも一緒になって話し合います。私たちも、交通広告はこの1年くらいでようやく始めたばかりですし、社内にスペシャリストがいたわけではないので、試行錯誤しながら改善しています。
—— マーケティング側からも、デザインやクリエイティブについて一緒に考えて体験を作っていくんですね。
古賀:
たくさん突っ込んでもらってます。めちゃくちゃいいなと思いますね。
やっぱり、自分の考えだけじゃなくて、それぞれの視点でいろんなことを考えていて、いろんな知識があるんですよね。例えば名古屋のときは、ビズリーチの名古屋拠点の営業担当からもアドバイスをもらいました。
杉内:
広告のコピーで「名古屋のみなさん」がいいのか「東海地区のみなさん」がいいのかっていう話があったときに、現地の方の行動範囲なので、聞いてみないと感覚がわからないですよね。
古賀:
その土地の事情に詳しい方の声ですし、そこを加味せずに成功はないと思います。
—— 施策やプロジェクトが始まるときは、どちらが発案するんですか?
古賀:
3つパターンがあります。
1つは、事業戦略として明確にやると決まっていること。
2つめは、マーケターが数値を主体に体験も加味して、課題を見つけて起案するもの。
3つめは、デザイナーが体験を主体に数値も加味して、課題を見つけて起案するものです。
杉内:
この会社って、誰が起案してもいいじゃないですか。プロモーションやマーケティングに関する部分の感度は、マーケターが一番高く持っているように意識していますが、誰もが課題を課題だねと言い合える距離の近さと関係性で働けるのはいい環境だなと思います。
古賀:
デザイナーも提案に乗っかって「やりましょう!」というだけでなくて、なぜその施策が必要なのか、マーケティング視点でどの数値を改善したいのか、最終的なゴールは何なのか、というのを考えるようにしています。
—— 同じ視座で、一緒に課題解決に取り組んでいるんですね。
古賀:
雑談レベルで「こうだと思うんです」って話したりもしますね。
杉内:
そういうものの方が、案外いい企画になったりすることもありますね(笑)。
古賀:
ちょうどお互いに同じことを考えていたり(笑)。
—— シンクロしてるんですね(笑)。
杉内:
同じフロアで近くにいて、日々のコミュニケーション、動き、数字をちゃんと見ているからかなと思います。だから、課題の粒度とか方向性がそんなにズレない。スピーディーに仮説検証もできますし、いい連携だと感じています。
—— ビズリーチのデザイン哲学に「5つの約束」という、みんながデザインするうえでの行動指針のようなものがあります。そのなかに「心を掴む」という項目があるんですが、普段何か考えていることはありますか?
古賀:
ひと言でいうと「体験」だと思います。
過度なことを言ったりせず、体験を通じてファンになっていただき、「使い続けたい、なくてはならない」と思っていただけるようになりたいんですよね。
契約してお金をいただいたらおしまいではなく、その先を考えないといけない。お客さまが課題を解決して成功に導くところまで考えて、より使いたくなるコミュニケーションを考えています。そういう意味では、プロダクトデザインもコミュニケーションデザインも、共通するところはあると思います。
杉内:
一般に、企業向けのマーケティングってカスタマー向けのマーケティングよりも堅くなりがちなんですよね。そのなかで、どうチャレンジするかっていうのは難しいですが、本当に心を掴まないと良い体験は提供できないと思います。
—— 幅広い接点のデザインを、密に連携しながら制作していることがよくわかりました。ありがとうございました。
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