
デザインの品質を定量化する「コミュニケーションデザイン評価モデル」
株式会社ビズリーチにて、コミュニケーションデザイン部の部長を務めます三井です。 コミュニケーションデザイン部では、デザインの観点を定義し、デザイン品質を定量化する「コミュニケーション評価モデル」を運用しています。今回はコ […]
「キャリトレ」は2022年12月をもってサービス終了しました。
若手のための転職サイト 「キャリトレ」はこの度、20代社会人が未来の「働く」を考えるコミュニティ 「BalconiiTalk(バルコニートーク)」をオープンしました。
今回は、プロジェクトを先導した3人に、コミュニティを立ち上げてからOPENイベント当日を迎えるまでのプロセスや、コミュニケーションをデザインする際に意識したことを聞きました。
古結 隆介 / Rusuke Kogetsu
大阪芸術大学映像学科卒業。前職で医療従事者向けサービスを運営するエムスリー株式会社にて、チームリーダー/システムアートディレクターとして新規事業立ち上げやプロダクトデザインに従事。2017年10月に株式会社ビズリーチに入社し、若手のための転職サイト「キャリトレ」のデザインを担当。
横山 明日希 / Asuki Yokoyama
早稲田大学大学院卒業。新卒で教育系企業に入社し、新規事業開発本部にて副校長業務に従事。その後サイバーエージェントに入社し、広告事業本部にてオンラインマーケティングを担当。2015年にビズリーチに入社し、現在は、マネージャーとしてキャリトレ事業部の「インハウス・マーケティング」全体を統括。
松澤 亜美 / Ami Matsuzawa
早稲田大学卒業後、メーカーにて海外営業など4年勤務。ピンタレスト・ジャパン株式会社のコミュニティマネージャー、J-WAVEのトレンドレポーター、アディダスジャパン株式会社でのブランドマネージャーを務めた後、2017年6月に独立。現在はコミュニティマーケティングのコンサルタント、トラベルコラムニスト、NPO法人LunchTripの代表理事として活躍。キャリトレ事業部コミュニティディレクターも務める。
バルコニートークは、20代社会人が未来の「働く」を考えるコミュニティ です。
兼業や副業、起業や独立など働き方が多様化する時代の中では、20代の社会人にとって、世代の異なる上司や先輩社員が必ずしもロールモデルになるとは限らず、また相談相手が十分にいるとも限りません。そんな20代の社会人が社外で新しいつながりを見つけ、未来に向けて新たな一歩を踏み出すきっかけを提供したい、そんな思いでオープンしたコミュニティです。
ーー今回のプロジェクトにおいて、みなさんの役割を教えてください。
横山:主に、プロジェクトマネジメントを行なっていました。あとは、私たち自身、オフラインのイベント設計やコミュニティを運営した経験がなかったので、プロジェクトメンバー全員が当日のイメージを持ち、同じ目的に向かって進むことができるように、メンバーのフォローを行なっていましたね。
松澤:私は、キャリトレでコミュニティを立ち上げることが決まった時に、コミュ二ティディレクターとしてジョインしました。普段からコミュニティディレクターとして活動しているので、「誰に対して何を伝えるのか」、「どういうコミュニティにしたいのか」をディレクションしながらみんなで決めていきました。
古結:私はデザインディレクション全般を行ないました。私は10月1日にビズリーチに入社したのですが、その時にはすでに、バルコニートークが10月26日に開催することが決まっていて、ロゴやLPなど、イベント開催に必要なクリエイティブ周りのディレクションを行いました。
ーー古結さんは、入社してすぐにコミュニティ作りのプロジェクトを任されて、キャッチアップが大変だったのではないでしょうか?
古結:入社したばかりで他に抱えているタスクがなく、このプロジェクトに注力することができたので逆に動きやすかったですね。私がプロジェクトに入った時には、コミュニティのコンセプトも決まっていました。みんなが「若者の悩みを解決したい」という思いをもって取り組んでいて、私も同じように悩んだり、キャリアに対してモヤモヤを抱えた時期もあったのでその思いに共感できました。プロジェクトの目的が明確でキャッチアップはしやすかったですね。
あとは、メンバー全員が向かっている方向が一緒だったので、ランディングは早かったと思います。会社的にもキャリア入社の社員に対するウェルカム文化が根付いているので、スムーズに馴染めました。プロジェクトメンバーの雰囲気もとても良かったんです。
ーー企画から実施まで短納期だったとのことですが、どのようなスケジュール感だったのですか?
横山:コミュニティを作りたいねと話が出たのが8月で、実際に動き出したのは9月からですね。9月から松澤さんにも加わってもらって、プロジェクトメンバーのマーケ、デザイナー、ビジネス開発といった職種横断のチームで、ターゲットや目的を決めていきました。
松澤:目的はもちろん、誰にどんな風にハッピーになってもらいたいのか、どんな体験を届けたいのかを具体的に決めていきましたね。LPなどのクリエイティブ制作、集客は10月からはじめました。なので、実質2ヶ月でやりきりましたね。
ーー2ヶ月で企画から実施まで!?イベント成功のため、企画側が気をつけたことはありますか?
横山:週2回、定例MTGを行なっていたのですが、意思決定をその場でするようにしていました。事業オーナーは方向性が大きくずれたときのみフォローしてもらう形にして、ある程度任せてもらっていたので進めやすかったですね。
あとは、意思決定の際にみんなの合意のもと進めたかったので、メンバーへ「このコミュニティをやる意義」についてインストールすることにたくさん時間をかけましたね。メンバー本人が、プロジェクトを楽しいと思えないと意味がないと思ってましたし、言われたからやるとか、やらされ仕事ほどつまらないものはないと思うんです。なぜこのコミュニティを作るのか、なぜイベントをやるのか、納得感をもって取り組んでもらうため、9月いっぱいはそれに時間を割いていたと思います。
松澤:そもそもビズリーチ社にとってコミュニティ自体初めての取り組みだったので、コミュニティとはなんぞやということから始め、誰のどんな悩みを解決したいのかを言語化していきました。
チームメンバーは比較的若く、参加する層に当たる20代が多いんです。彼らもかつてキャリアに対してモヤモヤや悩みを抱えたことがあったりと、ある意味ではターゲットに近い。「自分だったらどうか?」という質問を繰り返しながら、考えれば考えるほど自分ごと化できますし、他社事例も見ながら、具体的に、リアルにイメージできるようにしましたね。
いざロゴを作ろうとなった時に、デザイナーから3日間で10個近いロゴ案が上がってきたのは驚きでしたね!しかも、1人ひとりロゴに対しての思いも強くて、感動しました!
ーー短納期でのデザインディレクションで、意識したことはありますか?
古結:デザイナーへのクリエイティブ依頼をもらう際、時間の周知を徹底するようにしていましたね。よくありがちなコミュニケーションは「時間がないから作れません」とか「できません」みたいに、デザイナーが一方的に自分の都合を伝えてしまうこと。それだとただの言葉のラリーになってしまうので、「ここまでに〇〇を頂けないと、より良いものは作れませんよ」というように、伝え方は気をつけました。
クリエイティブの話って、非デザイナーの人にはなかなか伝わらないことも多い。例えばバナー一つにしても、数時間で作れるものだと思ってる方も中にはいると思うんですね。もちろんできることもあるんですけど、それだと言われたことだけをこなすだけになってしまうし、要件に対してベターにしかならない。
バナーにしても、LPにしても、ただ情報を伝えるだけの接点ではなく、ユーザーに対してより正しくその先の未来を想像してもらうためのコミュニケーションツールだと思っています。だから、「ちゃんと伝えたい内容は届くだろうか?」「より伝わる表現はないだろうか?」といった、ベストなものにするためにブラッシュアップする時間をデザイナー自身が確保するだけでアウトプットのスケールも違ってくると思うんです。
フローやガイドラインを作って、最適なクリエイティブを作れる環境を整えるのは、デザイナーの課題だ思うので、今後も意識していきたいですね。
松澤:確かに!古結さんが事前にスケジュールを見せてくれるのはありがたかったですね!後工程の人のことがわかって、自分が遅れることの影響を知れたので、緊張感を持って進められた気がします。
ーーイベントにおけるコミュニケーションをデザインをしてみて、いかがですか?
(BalconiiTalkのOPENイベント当日の様子)
横山:OPENイベント当日は、参加してくださったユーザーのみなさんが本音をぶつけてくれて、とても有意義な時間になりました。プロジェクトメンバーのみんながコミュニティという「モノ」ではなく、そのコミュニティを通じてどんな体験を届けたいのかという「コト」に向かっていたのが良かったなと思いますね。
松澤:キャリアの悩みや感じることを打ち明けあう参加者を見て聞いて、わたしたちにとっても気づきが多かったです。
今回、ブランドのコンセプトやロゴの次に、会場選びに時間をかけたんです。5箇所くらい回ったんじゃないかな。「バルコニートーク」という名前に合わせて、「グリーンがあるといいよね」「リラックスできるかな」など様々な点に考慮して厳選しました。
ただキャリアの話をするだけなら他にもたくさんイベントはあるので、差別化するためにどうやったら本音を引き出せるかをみんなで考えました。コミュニティデザインは、ユーザーの体験を左右するもの全てがデザインの対象なんですよね。イベント当日で言うと、受付やサポートするメンバーの表情や、会場の雰囲気なども含まれます。
古結:会場のイメージが無機質な会議室とかだったら絶対あの本音は話してもらえなかった気がしますね。別の場所に来ている感を演出してこそ話せる。会場選びだけでなく、レイアウトもデザインしました。「あまり多すぎても話しづらいし、1テーブル6人くらいがいいよね」とか。
あとは、当日スタッフのコーディネートも合わせて「白」で統一したんです。雰囲気はもちろんですが、主催者側のモチベーションも高められたし、より一層気合いが入りましたね。
ーーずばり、OPENイベント成功のポイントは何だったんでしょうか?
横山:ゴールの共有だと思います。「どんな体験を届けたいか」という明確なゴールを描いて、それをプロジェクトメンバーに浸透できたことで、一貫した体験を考えられたのがよかったと思います。
古結:目的に向かって、デザインをフル活用できるのが良かったですね。「なんのためにデザインするのか」を理解した上でデザインするのとそうでないのとではアウトプットの質も違ってきますし、提案できることも増えますしね。
松澤:とにかくプロジェクトメンバーの雰囲気がよかったです。みんな「キャリアの悩みを解決できる場にするんだ」という思いを強く持っていて、みんなが主体的になっていたのが、短納期でもやりきれたポイントだと思います。
ーー「ユーザーにどんな体験を届けたいか」ということについて、プロジェクトメンバーみんなの意識が統一されていたからこそ、当日も一体感が生まれたのですね。次回のバルコニートークも楽しみにしています!ありがとうございました。