
組織づくりをリードする2人が選んだ、組織と文化をデザインするための6冊
こんにちは。ビズリーチ事業部で企業さま向けのWebサイトの改善を行なっています松永です。 今回は、株式会社ビズリーチのCDO(Chief Design Officer)を務める田中裕一、Visionalのデザイン組織にお […]
ビズリーチはこの春「デザインの力を高める年」と銘打って、デザイン戦略の取り組みを開始しました。「デザイナーが仕事を通じて成長できる機会と環境を、企業として約束する。」というデザイン戦略の要となる考えのもと、さまざまな取り組みを行なっています。
その取り組みの一つとして、デザイナーのキャリアと成長を支える「質の高いインプットの機会」を企業としてサポートするため、毎月、メンバーから寄せられるリクエストをもとに書籍を購入し、インプットに活用しています。
詳しくは下記をご覧ください。
質の高いインプットを目指して。ビズリーチオフィスに「デザイナーのための図書館」が誕生!
このシリーズでは、その書籍をメンバーのコメントと合わせて紹介していこうと思います。
気になる書籍があれば、ぜひチェックしてみてくださいね。
安西洋之, 八重樫文 著 / クロスメディア・パブリッシング / 2017.4.24 発売
電気がまだ珍しかった時代、ロウソクは「照明」として人々に購入されてきました。電気が広く普及した現在では、色や香りの装飾を施されムードやリラックスを「演出する道具」として「意味」を変えて売れつづけています。
本書ではこのようにモノの「意味」を変えることで起こるイノベーション=「デザイン・ドリブンイノベーション」というフレームワークを紹介しています。
同じデザインという言葉を持つ「デザイン思考」と比較した話も多いので、デザイン思考は当たり前過ぎて目新しさはなかった……というデザイナーこそ読む価値がありそうです。
(デザイナー:佐々木 奈央)
佐藤オオキ 著 / 日経BP / 2016.12.9 発売
デザイナー佐藤オオキの、整然とした作品の数々。
この本でフォーカスするのは、それら「完成形」に隠された、数多の「ボツ案」です。ボツ案とは、単に選ばれなかった案ではありません。たったひとつの答えが導かれるために、なくてはならないものなのです。そんな必要不可欠なボツ案から探る、アイデアが完成形へ磨き上げられていくストーリー。
課題解決のための超多角的なアプローチや、アイデアの発想と連鎖を生む方程式など、ため息が出るほど華麗な技が盛りだくさん。デザイナーだけでなく、アイデアを生み出す仕事をしている人全員に読んでほしい、珠玉の一冊です。
(デザイナー:臼倉 すみれ)
ロベルト・ベルガンティ 著, 八重樫文 訳, 安西洋之 監修 / 日経BP / 2017.6.29 発売
ユーザーのニーズからだけではなく、ユーザーにとっての「意味」からものづくりを始めることがいかに大事かが実感できる本。その概念だけでなく、実例を踏まえつつ手法についても触れているので「そういう話は良く聞くけれど、実際どう進めてけばいいの?」という方におすすめです。
また、同じビジョンを持つメンバーからの適切な「建設的な批判」を受けながらものづくりを行うことの重要性について述べられており、同調や強調に偏りがちな雰囲気のチームで活動する人には、是非一読していただきたい一冊になっています。
(デザイナー:藤松 裕士)
カイシトモヤ 著 / エムディエヌコーポレーション / 2016.11.15 発売
私は新人デザイナーですが、私自身今の仕事を楽しくできているのか?という疑問があったので、この本を手に取りました。
この本では主に「グラフィックデザイナーの仕事ってどんなことするの?」から「仲間と良い関係で仕事をするには?」といった方法まで広く書かれていました。印象的だったのは、新人として与えられた仕事は全体から見るとほんの一部かもしれませんが、そういった部分こそデザイナーが自分の考えを働かせ、より良くする所なのだと改めて気づかされた所です。
この本は私のような新人デザイナーの方、新人デザイナーを教える立場の方にもぜひおすすめしたい本です!
(デザイナー:高木 晃)
アレックス・オスターワルダー, イヴ・ピニュール, グレッグ・バーナーダ, アラン・スミス 著, 関美和 訳 / 翔泳社 / 2015.4.17 発売
本当に顧客が欲しがる製品やサービスのために必要なバリュー・プロポジションを、実践的に創り上げていくガイド本。 文字も大きく、イラストも豊富で、ほぼ見開きで一つのテーマが完結するのでとても読みやすいです。
バリュー・プロポジションを一言で言えば「自社だけが提供でき、他者が提供できない、お客様が求める価値=お客様が買う理由」。新しい価値を生み出そうとしている人はもちろん、既存事業でもアイディアのブラッシュアップやチームの方向性の一致など、プロジェクトを成功に導くために必要なステップを知りたい方におすすめです。
(デザイナー:梅林 千恵)
講談社校閲局 編集 / 講談社 / 2013.4.24 発売
文章中の文字使いをより正確にし、よりわかりやすい表現にするための参考書。
講談社が創業以来、100年あまり雑誌や書籍を刊行し蓄積された、一般的なかなづかいから適切な慣用句の使い方、対象読者にあった表記まで、日本語の表記に関することが細かく丁寧に解説されています。
ブログやツイッターなどの普及により、個人が情報発信をすることが一般的になった今、誤った内容や表記に間違いの多い文章は信用度を著しく損ねてしまいます。文章の編集、校正に携わる方、ブログなどで情報発信している方、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
(デザイナー:村上 杏樹)
山田祥寛 著 / 技術評論社 / 2017.8.4 発売
Angularの基礎から応用まで載っている、JavaScriptをある程度理解している方に向けたフレームワークの解説書です。実際に手を動かすことで全体像からAngularへの理解を深めることができます。英語に苦手意識のある方でも、この本に沿って学ぶことで基礎知識を身に付けることができます。
JavaScriptはある程度わかってきたけれど、Angularってなんだろうという方や、Stack Overflowや公式ドキュメントを読むのはちょっとまだ…という人にはおすすめの一冊です。
(フロントエンドエンジニア:村上 祥太)
Klaus Klemp, Keiko Ueki-Polet 編集 / Gestalten / 2015.9.25 発売
本書はかつて行われたディーター・ラムス氏の個展の図録です。レコードプレイヤー“SK-4”をはじめとした数々のプロダクトの写真が収録されています。また、併せてラムス氏のルーツや「良いデザインのための10ヶ条」などにも触れられており、ラムス氏の魅力が詰まった一冊になっています。
10ヶ条や“less and more”「より少なく、より良く」の考え方はプロダクトデザインのみでなくデジタルなどの媒体でも活かせる内容となっているので、その考え方とそれが表現されたプロダクトに、本書を通して触れてみてはいかがでしょうか。
(デザイナー:藤松 裕士)
以上、今月の「デザインの本棚」でした!
来月もぜひお楽しみに!