
事業を前に進めるための、具現化のチカラ
この記事は、2023年5月10日に「Assured Tech Blog」にて公開された記事の転載です。 こんにちは、Assured 事業部デザイナーの戸谷です。 事業推進において、プロダクト開発の次の一手をどうするか?を […]
ビズリーチが運営する、HRテック(HR × Technology)で採用を強くする「HRMOS(ハーモス)採用」(旧:HRMOS採用管理)が、2017年度グッドデザイン賞を受賞しました!
今回、受賞理由や審査員の方のコメント紹介等も含め、「HRMOS」の立ち上げから携わっていたデザイナー Lu ChiaLinに、「HRMOS」のデザイナーとしてどのようなことを考えサービスを作ってきたのかを聞きました。
グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。
その母体となったのは、1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」であり、以来約60年にわたって実施されています。その対象はデザインのあらゆる領域にわたり、受賞数は毎年約1,200件、60年間で約44,000件に及んでいます。また、グッドデザイン賞を受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標として、その役割を果たし続けています
引用元:グッドデザイン賞 公式サイト
HRMOS採用は、採用マーケティングの戦略立案と実行を支援するサービスです。
採用業務を一元管理することで効率的な採用活動を行えるだけではなく、可視化されたデータの分析を通じて、数値に基づいた戦略的な視点を提供し、採用力を向上させます。採用経路別のROI、採用目標に対する進捗などが明確になり、各施策の効果を分析してPDCAサイクルをまわすことで、“欲しい人材”の採用につなげることができます。
また、戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」では、人材の採用だけでなく、人事に関連する業務を最適化し、データに基づく意思決定や戦略的な業務に専念できる環境を戦略人事のクラウドサービスを提供予定です。
ーーグッドデザイン賞 受賞おめでとうございます!まずはじめに、今のお気持ちから伺ってもいいですか。
すごく嬉しいです!決して私一人の結果ではなく、チームのみんなで頑張ったおかげです。ありがとうございます!
ーーLuさんは、HRMOSのデザインをサービス立ち上げの時から担当しているとのことですが、そもそもLuさんがどういったキャリアを歩んできたのか、現在どのようなお仕事をしているのか教えてください。
私は台湾出身のデザイナーです。ビズリーチには入社して3年目になります。
ビズリーチに入社するまでは、様々な国でデザイン領域のお仕事をしてきました。
台湾|デザイン事務所でグラフィックデザイナー職
↓
イギリス|新聞会社でエディター/デザイナー職
↓
中国|メーカー企業でマーケター職
↓
日本|WEB制作会社でデザイナー職
↓
現在、ビズリーチ デザイナー職
ーーヨーロッパやアジアなど様々な国を飛び回ってお仕事をされてきたLuさんが、なぜ、日本で働くことになったのでしょうか。
実は特にこれといった理由がなくて(笑)、中国で働いていた会社を退職した後、日本語学校に通うために日本に来て、半年間滞在していました。
そこで日本語検定を所得し、もしかしたら日本に残ってそのまま働けるのではないかと思い、就職活動をしてみたんです。
すると内定をいただくことができて、流れで日本に住むことになりました。
ーーなぜビズリーチに転職しようと思ったのですか。
ビズリーチに入社する前の会社が、WEB制作会社でありながら人材サービスの運営も行っていたので、隙間時間にネットサーフィンして他社の人材サービスを見て回るのが習慣でした。そんな時にビズリーチに出会って、公式サイトのコードを覗いたら、あまりの綺麗さに感動してしまって。「きっとここ(ビズリーチ)は、成長できる環境が整った良い会社なんだろうな」と思い、応募してみたんです。
ーービズリーチに入社後、どのようなお仕事に携わったのでしょうか。
入社したタイミングで「HRMOS」を立ち上げる話があり、私は「HRMOS」の一人目のデザイナーとしてジョインしました。フロントエンドエンジニアのメンバーにサポートいただきながら、1年ほどはデザイナー一人で制作していました。
徐々に「HRMOS」の利用者様が増え、サービスとして成長してきたこともあり、様々な機能が追加されて、仕事量も大幅に増えたので、各システムに対してデザイナーやフロントエンドエンジニアがアサインされるようになりました。
最初は数名で運用していた「HRMOS」も、現在では大きくなり、60名のチーム(開発40・営業20)で、それぞれの役割を持ち、業務に専念しています。デザイナー・フロントエンドエンジニアは3名から7名に増えました。
そして私が、今回受賞した「HRMOS採用」のデザインを担当しています。
HRMOS デザイナー・フロントエンドエンジニア
ーーHRMOSのデザイン(UI/UX, グラフィック, ロゴ, WEB等)について、こだわった点を教えてください。
1番こだわったのは“効率的に利用できるか・作れるか”です。
先ほどの話でも少し触れましたが、「HRMOS」を立ち上げた頃、デザイナーは私ほぼ一人で、チーム全体ですと10名程で開発・運営を行っていました。
開発メンバーが少ないこともあり、無駄なく、効率よく開発する方法を考え決定しました。デザイン変更に対応しやすく、組み合わせやすく、再利用性も高い、フロントエンド実装も簡単な「Atomic Design(パーツ/コンポーネント単位で定義する、UIデザインの手法)」を意識して制作しました。
「HRMOS」のグラフィックやUI/UXですが、「HRMOS」内にはおしゃれな装飾やイラスト、インタラクションがなく、とにかくシンプルなデザインなんです。
シンプルなデザインの良いところは、パッとサービス画面を見ただけで、どの機能がどの位置にあるのか、一目でわかります。
悩むことなく直感的に目的を達成できること、単にユーザーの声に回答するだけではなく、本質的な課題の解決につなげること、見やすくて使いやすいことを1番大事にしました。
あと、ごくたまにログイン画面やシステムメンテナンス中の画面で、遊び心のあるイラストの装飾や演出を加えています。ハロウィンの時期のログイン画面は、かぼちゃのイラストが並び、目がピカピカと光ったり、クリスマスの時期は雪だるまのイラストが並び、雪が降ったり。
こういった画面を利用者様が見て、仕事中の気分転換になったらな、と考えています。
システムメンテナンス中の画面
クリスマス時期のログイン画面
ーーサービスのなかで使われているカラーは、紺色など青みの色が多いようですが、何か理由はありますか。
「HRMOS」の利用者様は25〜34代の男性が多いので、落ち着きのある、男性でも使えるようなトーンのカラーにしようと決めていました。
ーー利用者様からはどのような声をいただいていますか。
デザイナーも営業担当者と同行して、利用者様にご挨拶に伺い、ユーザーインタビューを行うことがあります。
ありがたいことに、多くのお客様からは《使いやすい・見やすい》といった声をいただきます。
■利用者様の声
・株式会社ポケモン
HRMOSのUI/UXは圧倒的に使いやすい
・sansan株式会社
HRMOSは、直感的なUI/UXでデータ分析できることが魅力
・株式会社Viibar
直感的なUIが選定の決め手
・株式会社電通デジタル
優れたUI/UXが、切り替えのハードルを軽減する
・テックファームホールディングス株式会社
画面遷移の少ないUIが大変使いやすい
もちろん、全てが良い意見というわけではありません。「なんでこのボタンはここにあるの?」「使い方がわからない」というような、改善依頼をいただくこともあります。利用者様からいただいたフィードバックは持ち帰り、記録・集計・分析して、優先度など含めてチームで話し合います。
ーー今回、なぜグッドデザイン賞に応募することになったのでしょうか。
私たちのサービスは、UX/UIが優れているという理由でお客様に選ばれていることが多く、継続してご利用いただく理由となっています。ですが、SaaS(ソフトウェアをユーザー側に導入するのではなく、ベンダ側で稼働し、ソフトウェアの機能をユーザーがネットワーク経由で活用する形態)のサービスである以上、導入いただかないことには良さがお伝え出来ないんですね。
新しいお客様には、他の企業様からの評判はお伝えしながらも、それをグッドデザイン賞という形でひとつの証明として、お客様の信頼を形にしてお伝えしたいという思いから、思いきってエントリーすることにしました。
私が前職(中国のメーカー企業)で働いていた時にも、身体領域 – 趣味・ホビー用品部門でグッドデザイン賞を受賞したことがありました。
グッドデザイン賞は国関係なく、海外からもエントリーすることができるんですよね。公式サイトも英語・中国語・日本語で見ることができるようになっていますし、海外から見てもグッドデザイン賞は名誉のある賞なんですよ。
なので、また何かでエントリーできたらな……とは思っていました。
ーーグッドデザイン賞を受賞するために工夫されたこと、こだわったことはありますか?
審査のポイントであり懸念点だったのは、審査員の方々に対して「デモ」が出来ないことでした。 私たちが作っているようなサービスは、実際に触って動かしてみてもらわないと、なかなかその快適さや便利さが伝わりません。
そしてHRMOSは、ビジュアル的なおしゃれさやかっこよさで勝負しているわけではないので、画面だけ見てもらっても価値や魅力が伝わらないと思い、あえて印刷したポスターとA4サイズの資料に全ての情報をまとめて、展示しました。
資料に情報をまとめる上で、社内のいろんな人たちとHRMOSについて議論して、そこからポリシーやアイデンティティをまとめました。
審査の際に展示したポスター
こちらの写真は「HRMOS」のLPにも使用しているのですが、私が社内の中からイメージにあいそうな人をキャスティングして、撮影しました。
ーー今回の受賞についてどのように受け止められていますか?
この賞は、決して自分だけの成果ではなく、チームとしていただいた賞です。HRMOS 初期の開発スタイルは、デザイナー・エンジニアの職種関係なく、チーム全員がユーザーとしてレビューしていました。CS(カスタマーサクセス)チームに協力いただき、ユーザーのフィードバックを収集して、問題点が分析して改善して、より良いサービスを育てようと心がけてきました。
まさにHRMOS 運営メンバー全員が、力を合わせた結果だと思います。
心から感謝しています。
審査委員の評価
ビッグデータや人工知能が社会実装フェーズに入り、データに基づいたマネジメントツールが様々な領域で生まれている。人事採用領域に特化している本サービスも、その一つである。人事という特秘性の高い情報を蓄積するプラットフォームとして、信頼性と使いやすさを上手に両立している。また今までは属人的になりがちな採用や人事評価に、データに基づく客観的・戦略的な分析を統合している点もユニークである。より信頼性が高く、多様な評価軸を受容できる人的リソースのプラットフォームへと進化することを期待している。
担当審査委員| 廣田 尚子 青山 和浩 小林 茂 ナカムラ ケンタ 林 千晶
引用元:グッドデザイン賞 公式サイト
ーーHRMOSとデザインチームの今後どのような姿勢でどのようなプロダクト開発・運営に取り組んでいきたいと思っていますか。
これからはビジネス視点を持ち、どのくらい受注があるのか等、もっと事業の数字を意識しながら作っていきたいです。
また、デザイン面に関しても、今以上に使いやすいサービス作りを目指し、利用者様の満足度を上げることを意識して、利用者様が抱える課題をデザインの力で解決し、サービスの価値を最大限まで引き出したいと思っています。
ビズリーチで初めて受賞した「グッドデザイン賞」。これを機に、人事や総務の領域でお仕事をされている方々はもちろんのこと、デザイナーの方々にも我々のサービスを知っていただき、触れていただけたら嬉しいです。
後日、受賞作品の展示会が行われる予定ですので、ぜひ展示会場へ足を運んでみてください。
※2019年6月14日に「HRMOS採用管理」は正式名称を「HRMOS採用」に変更しました。